二番煎じはダメだが…異色編集者が教える「売れる本の法則」が目から鱗だった!
● 『書けないと恥ずかしい漢字』は 経費もかからず思惑どおりのヒット 編集者は自分では原稿を書かず、著者やライターといった書き手に投げるのが通常の仕事の進め方だ。その型に囚われることなく、自らで書くというやり方を選ぶことができるのは、草下氏の文章力があってこそ。 『書けないと恥ずかしい漢字』(2004年3月 編:書けない漢字研究会)も、他社の企画を参考に、切り口を変える形で作った本です。河出書房新社の文庫で『読めないと恥ずかしい漢字1000』という本が大ヒットしていたんですが、その本を見て、僕は「読めるな」って思ったんですよね。漢字を読むことはできる。だけど書くことはできなくなっている、という発想から立案しました。 この本が出た2004年頃は、多くの人々がパソコンを使うようになり、手書きで文章を書く機会がぐっと減って「読めはするけど、書けない」って人が増えているように思えたし、読めない人がいてそれが売れてるなら、書けない人はもっといるんじゃないかと。 この『書けないと恥ずかしい漢字』は、書き込み式の漢字ドリルで、僕ひとりで原稿を書いて、1週間くらいで作りました。だから経費もさほどかかっていませんが、12、3万部は売れました。
草下シンヤ/大泉りか