まさに天才!『モアナと伝説の海2』楽曲を手掛けた20代女性デュオとは?
正式に起用されてからは前作の曲を聴きまくり、モアナの世界に完全に身を浸した。ベアーは「そうして長いこと聴いていると、モアナの音楽のパターンやどこへ向かっているかということがわかってきて、それをわたしたちの音楽とどう融合させるか選択できるようになってくるんです」と明かすと、バーロウも「本作に参加するにあたって、わたしたちはすでに作り上げられているモアナの世界に絶対にとどまり続けたかったんです。それはとても美しいから。そこにちょっとしたバーロウ&ベアーの要素を加えられたらと思いました」と笑う。
二人での曲作りは、バーロウいわく「セッションのようで、大きなパズルを1ピースずつ組み立てていくような感じ」なのだという。曲が先、歌詞が後など、決まったやり方はない。「それぞれの曲にそれぞれの旅がある」というベアーは、「ミュージカルのソングライターには、一人が曲、一人が歌詞というように完全に分業で、特にコミュニケーションは取らずに曲と歌詞を一つにする、という人たちもいますが、わたしたちはボールをどんどん回していく感じです。アビゲイル(・バーロウ)が言ったことがわたしをインスパイアして、それを彼女に戻す──卓球みたいな感じです」と説明する。
ベアーが「例えば最初の曲(『帰ってきた、本当のわたしに』)はこう始まるけど、わたしが弾いたら彼女がすぐにあの歌詞で歌ったんです」と目の前のグランドピアノを軽やかに鳴らすと、バーロウが美しい声で歌う。ベアーは「これは完成版が、最初のものとほとんど変わっていない曲。歌詞をちょっと入れ替えたりというのはありましたが、ただ現れたって感じの曲ですね」とほほ笑んだ。
曲を書くときはそのキャラクターに成り切って、彼らの視点で物事を見るようにしているという二人。キャストの声や力量も大きなインスピレーションになる。それを象徴しているのが、大人になったモアナの葛藤が表現されたメイン楽曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」だ。