侍ジャパン、連覇王手!清宮幸太郎がイチロー氏の激励に応えた快振2点打「次はスタンドに」
国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」の2次リーグ最終第3戦が行われ、試合前に決勝進出が決まっていた日本代表は台湾代表に9―6で競り勝ち、3戦全勝の1位突破となった。清宮幸太郎内野手(25)=日本ハム=が5―3の五回に2点三塁打を放ち、貴重な追加点を挙げた。大会2連覇を懸け、24日の決勝でも台湾と対戦する。 東京ドームの天井を突き破ろうかという放物線だった。5―3の五回2死二、三塁。清宮が放った滞空時間6秒の打球は右翼フェンスを直撃。今大会初打点となる2点三塁打を放ち、笑みを浮かべた。 「ジャパンで打つのはやっぱり違う。この流れで(決勝戦も)圧倒できればいい。追加点が取れて良かったですが、次はスタンドに入れたい」 ひと伸びが足らず、ちゃめっ気たっぷりに言った。試合前にはeスポーツの国際大会「eプレミア12」決勝のゲストとして来場したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から「見ているからな。けん制は捕れよ」と激励を受けた。18日のドミニカ共和国戦の守備でけん制を後逸していただけに、汚名返上の一打となった。 野球に触れた瞬間、アーチに魅了された。小学校に入学した直後から、放課後は児童館でゴムボールとプラスチックバットで野球をする日々。「体育館に2階とかあるじゃないですか。そこに打ったらホームラン。そこで楽しさを覚えました」。これが最も古い本塁打の記憶。「きょう何本打ったか。きょうまで何本打ったか。全部数えていました」と回想する。プロ入り後も全ての本塁打を記憶。この日は惜しくもフェンスは越えなかったが、決定的な仕事を果たした。 試合前には不穏な空気漂った。ベネズエラが米国に敗れ、日本と台湾の決勝進出が確定。台湾は罰金を払ってまで、試合直前に先発投手を変更した。三回には井端監督が円陣の中心に立ち「準備をとにかく早めにしよう」と守備、攻撃のピッチクロック対策を伝えた。 開幕8連勝で国際大会での連勝を27に伸ばした。「日本のプロ野球が(今季は)明日で最後になる。いい試合を見せて勝ちたい」と指揮官。大会初となる全勝優勝、そして2連覇へ、負けられない一戦に臨む。(横山尚杜)