上司に「私用のため」と有休を申請したら、「理由にならない!」と怒られました。体調不良などでなければ認めないようですが、もう嘘の理由を伝えるしかないでしょうか…?
一定の労働条件を満たせば、雇用形態に応じて有給休暇が付与されます。週末など普段の休日にはできない用事を済ませたり、リフレッシュをしたりと、有給休暇を取得する理由は人によってさまざまでしょう。しかし理由によっては有給休暇の取得を認めない会社も存在します。 本記事では有給休暇を「私用」という理由で取得できないのかどうかについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
有給休暇は労働者が自由に取得できるもの
有給休暇は勤務開始から6ヶ月経過し、その期間の全労働日の8割以上出勤したときに会社から付与されるものです。労働者の心身のリフレッシュのために与えられる休暇で、休んでも減給されることはありません。 「会社が付与する休暇」と聞くと、会社の都合で有給休暇日を決められそうな印象があるかもしれません。しかし労働基準法では「使用者は労働者が請求する時季に有給休暇を与えなければならない」と定めています。つまり有給休暇は労働者が請求して取得するものであり、原則としていつでも自由に取得できます。
「私用」を理由として有給休暇を取得しても良い
有給休暇の取得にあたっては、特に理由を伝える必要はありません。なぜなら労働基準法では有給休暇の取得に理由が必要であることを明記していないためです。 もし会社に理由を聞かれたら「旅行する」「市役所に行く」など具体的に答えても良いですし、「私用のため」「家庭の事情」などと抽象的に答えても問題ありません。 ■理由を聞くこと自体は違法ではない 有給休暇を取得する際に理由は問われませんが、会社は労働者に有給取得の理由を聞いても構いません。理由を聞くこと自体は違法行為には該当しないのです。 ただし、理由によって有給休暇の取得を拒否したり、評価を下げるなどの処分をしたりすることは違法行為にあたります。 ■うその届け出が就業規則違反となる可能性もある 私用を理由とした有給休暇の取得拒否は違法です。しかし「うそをつかないと有給休暇がとれない」という人もいるでしょう。 そういった場合は「体調が悪い」「不幸事があった」など虚偽の理由を申告する方法を選択するしかありません。その場合に注意してほしいのが、会社の就業規則で虚偽の申告が禁止されている場合、処分の対象になり得るということです。 有給休暇の取得に理由は必要ないということを伝え、うそを避けて堂々と休むことをおすすめします。