DAIBOUCHOU、なごちょう、足立武志 株式投資で成功した3人は決算書の“ここ”を見る
日本会計基準かIFRS(国際会計基準)かも気になる点だ。後者は特別利益など一過性利益についてすぐにわかりにくく、損益計算書も日本会計基準に比べると省略されている部分が多い。のれんなども非償却なので、正直なところ決算の詳細が把握しづらい。 配当重視で買う銘柄は、配当可能限度額がわかる単独決算をしっかり見ている。これが少なくなると連続増配がストップし、株価にも影響するなど、今後の動向を探りやすい。私は連結決算と単独の両方に目を通すようにしている。
決算説明会資料も見るが、マイナーでバリュー株と呼ばれる会社は出さないことも多い。情報が足りず、転職・新卒採用サイトでも情報を集めている。 名古屋の長期投資家(なごちょう)/1995年から「超分散長期投資」を始める。2年前に資産1億円を達成。 ■足立武志 儲けの3カ条 1 最初は売上高と利益に集中 2 チャートの動きも考慮する 3 自分なりの投資ルールを 私は兼業投資家なので、銘柄選びに割く時間は限られている。
だからこそシンプルな基準を設けており、成長株であればカギは売上高と利益の伸びだ。毎年のように伸びているのなら、今後も有望とみて、投資対象として検討する。銘柄によっては、設備投資や減価償却などで一時的に利益を落とす銘柄もあるが、最初はそこまで掘り下げず、売上高と利益の数字にフォーカスする。 ただ、決算書の数字は過去の実績であり、業績予想も将来を約束するものではない。「過去は好調だから将来も持続するだろう」という確率論の話なので、この情報だけに100%頼るわけではない。
株価チャートが大切で、株価の上昇基調を確認したうえで、購入の決断を下す。業績は好調でも、株価がピークアウトを迎えているなら手は出さない。成長株は「高成長」というげたを履いている分、株価の上昇ピッチも速いが、成長鈍化とみられれば、下落も急激だ。投資家の動向がチャートに反映されるからこそ、チャートは必ず確認するのが鉄則である。 PER(株価収益率)の変化にも注目している。例えば、ある成長株のPERが70倍から20倍に低下すると、「割安になった」と買いに動く投資家は多いだろう。私はそう考えない。20倍になった時点で成長株から普通の銘柄になり、今後の株価の上昇スピードも衰えるとみるので、食指は動かない。