【2024年プロ野球ドラフト会議】さわかみ関西独立リーグからNPB球団入りへの熱い想い~和歌山ウェイブス所属の小川佐和選手
2024年10月24日(木)に開催されるプロ野球ドラフト会議。関西でプレーする選手で注目したい選手は多くいる。大阪、兵庫、和歌山を拠点とするさわかみ関西独立リーグに焦点をあて、和歌山ウェイブス所属の小川佐和選手に注目。もし、さわかみ関西独立リーグからドラフト指名を受けた場合、2017年以来7年ぶりの指名となる。小川選手は、2年連続ドラフト候補として注目を浴びるが、2024年10月24日(木)の運命はいかにーーーー。昨年のドラフト会議を経て、当時の想いと今を語る。
空白の4年を経てドラフト候補へ。悲願の指名へかける想いとは
和歌山ウェイブス(元和歌山ファイティングバーズ)においては過去にドラフト指名を受けた選手がいないため、叶えばこちらも球団史上初の快挙だ。和歌山県田辺市に拠点を置く和歌山ウェイブス。田辺市出身の小川が、NPB入りを果たし、地元を盛り上げるには十分すぎる話題であろう。そんな地元の期待がかかる小川だが、過去には一度野球を辞めていた期間が存在する。2018年、第100回のメモリアル大会となった全国高校野球選手権記念大会。石見智翠館高等学校に通っていた小川は高校三年生の夏、島根県の代表の座をかけ地区予選の決勝に挑むも、益田東高等学校相手に6-0で無念の敗退。甲子園出場を目指して野球と向き合ってきた小川は、当時同校に所属していた水谷瞬(現北海道日本ハムファイターズ)や、のちにNPB入りを果たす久保修(現広島東洋カープ)らが上のステージへと進む中、一度野球界から退くこととなった。
ブランクを感じさせないプレースタイル
高校卒業後は地元の企業に就職した小川。そこから4年間はグランドから足が遠のいていた。現役時代のポテンシャルを見込んで周りから野球界復帰への誘いも多くあり、付き合いで草野球を嗜んではいたものの、奮い立つほどには到底及ばなかった。しかし、そんな小川が一念発起したのは2022年の秋。再び野球に対する火が灯り、その後のドラフト会議では同級生の久保が指名されたことが拍車をかけることになる。 「プロ(NPB)に行かないと正解じゃない」 その言葉通り、小川のNPBに対する姿勢は誰よりも強い。無名の自分がスカウトの目に留まるよう、第一に心掛けたのは盗塁数と出塁率。いわゆる目に映る数字を追いかけた昨シーズンとなった。言葉通り、内野安打や逆方向へのシュアなバッティングと出塁を量産。塁に出ては二盗・三盗と勢いよく走り出す。そんな姿勢を貫いた昨シーズン、残した盗塁数は58(試合数50)。当時、さわかみ関西独立リーグのリーグ記録を更新し、盗塁王も獲得した。「野球をするためだけに入ったわけじゃなく、今年どうやってプロに行くかばっかり考えてました」と小川は言う。狙い通りスカウトも球場へと足を運び出し、しきりに気に掛けてもらうことも増えてきた頃、シーズン終了と同時に調査書が手元に届いた。晴れて指名待ちとなった去年のドラフト会議。家族やチームメイトたちが見守る中、設けられた会場では待てど暮らせど指名は受けず。そのまま“小川佐和”の名前が呼ばれることは叶わなかった。