「後悔だらけ…」岡崎慎司が引退会見 夢の続きは「日本代表監督」「W杯優勝」…独6部クラブ監督から再出発
サッカー元日本代表FW岡崎慎司(38)=ベルギー1部・シントトロイデン=が17日、都内で引退会見を行った。日本代表で歴代3位の50得点を挙げたストライカーは、膝の負傷を理由に引退を決断。今後は欧州での指導者を目指し、自身が創設から関わってきたドイツ6部のクラブの監督就任を発表した。将来的には日本代表監督として、選手として成し遂げられなかった「W杯優勝を目指す」という目標も掲げた。 現役を去る寂しさより、新たな挑戦への熱が上回った引退会見だった。スーツ姿、鮮やかなブルーのネクタイで登壇した岡崎は、大きな野望を口にした。「W杯優勝は選手として達成できなかったので、監督としては目指すところはそこだと思っています。日本代表の監督になりたい、W杯で優勝したいっていうのがメインの目標です」。その目標に向け、自身が創設から関わるドイツ6部のクラブ・バサラマインツで監督業を始めることを明かした。 引退理由は昨年12月に負った膝の負傷。「今まで諦めたことは一回もなかったけど、諦める、という決断をした。その時、このまま終わりたくないという気持ちが芽生えた。サッカー選手として戦ってきたように、戦いの場が欲しい。そうなると監督かなって」。日本で指導者を始める考えもあったが「環境に甘えてしまったら、今まで味わってきた悔しさを忘れるだろうなと」とあえて欧州での指導者人生スタートを決断した。 20年の現役生活では3度のW杯に出場し、世界最高峰プレミアリーグでの優勝も果たした。それでも「後悔だらけ。目標にしたものはほとんど達成できていない。W杯優勝、プレミアリーグで2桁(得点)も。ビッグクラブでもプレーしていませんし、セリエAでプレーする夢も達成できなかった。40歳まで現役を続けるという最後の目標も」と少し寂しげな表情も浮かべた。それでも「やってきたことへの後悔はない」と断言した。 サッカー人生を「反骨心で生きてきた。下手って言われたら、下手じゃないしって。それをどう証明するか、ずっとやってきた」と表現した。それはユニホームを脱いでも変わらない。会見の最後、シントトロイデンの日本代表GK鈴木彩艶(21)から花束を受け取ると、感謝とともにもらした言葉は「負けたくないっすね」。泥臭くゴールを目指した現役生活を締めくくっても、岡崎らしさは不変だった。(金川 誉) ◆岡崎に聞く ―印象に残るゴールは。 「優勝したレスターでのニューカッスル戦のオーバーヘッド。ハードワークやチームの潤滑油みたいなところを一番に認められてしまい、(先発しても)45分で代えられることも多かった。自分を証明するためゴールしかなかった。日本代表に関しては、W杯の歴史的なゴールが欲しかった。それがない悔しさの方が残っていますが、南アフリカW杯出場を決めた最終予選(ウズベキスタン戦)のゴールであったり、うれしかったゴールっていうのはたくさんあります」 ―苦しかった時期は。 「(19年を最後に)日本代表を外れて、最後の4年間。改めて日本代表でプレーすることのやりがい、を感じた。(当時)スペイン2部からのし上がろうと、同じ境遇にいた香川真司とそういった話をすることで、自分も救われた。ここから(22年カタール)W杯を目指そうと。その存在があったからこそ頑張れた」 ◆岡崎 慎司(おかざき・しんじ)1986年4月16日、兵庫県生まれ。38歳。滝川二高から2005年にJ1清水入り。11年にドイツ1部シュツットガルト。13年夏に移籍した同マインツで2季連続2ケタ得点。15年夏に英プレミアのレスターに移籍し、15~16年シーズンのリーグ制覇。19年夏にスペイン2部ウエスカに加入し、1部昇格。22年夏にベルギー1部シントトロイデンに加入。W杯は10、14、18年大会出場。日本代表の国際Aマッチ歴代5位の通算119試合、同3位の50得点。174センチ、76キロ。
報知新聞社