Jリーグはクライマックスに突入! J1優勝争い&残留争いのキーマンは誰か
【広島、神戸はACLも戦いながらの争い】 その町田と熾烈な争いを演じる広島は、7月から8月にかけて7連勝というクラブレコードを記録。町田にプレッシャーをかけ、第29節でついに捉えた。翌節で再び首位を奪われたものの、今もっとも勢いのあるチームだ。 その旗手となったのは、夏に加入したMF川辺駿とMFトルガイ・アルスラン。MF野津田岳人、MF川村拓夢を海外移籍で失ったものの、中盤の構成力や推進力、得点力はむしろ上がった。そして9月、FW大橋祐紀が移籍、FWピエロス・ソティリウが負傷離脱で手薄になったところにFWゴンサロ・パシエンシアが加入。デビューとなった鹿島戦で早速得点し、スケールの大きさを感じさせた。終盤戦でさらに勢いをもたらすか。 懸念はやはりACLによる日程面だ。メンバーを固定する傾向の広島は、主力の負担はかなり大きい。グループリーグ第1節・カヤFC戦はターンオーバーを敷いたが、どこまで続けるか。 神戸も広島同様、直近5試合で4勝1分と町田が足踏みする間にじわじわと追い上げ、気がつけば3ポイント差と上位2クラブを視界に捉える位置につけた。キーになるのはやはりFW大迫勇也だろう。 得点はもちろん、大迫が前線でボールを収めることで神戸の攻撃は始まる。シーズン中盤では苦しんだ時期もあったがここに来て得点数を伸ばし、10得点と2ケタに乗せた。町田、広島にプレッシャーをかけるために大迫の活躍は不可欠だ。
【失速気味の鹿島&G大阪はエースの奮起で食い下がれるか】 2016年以来のリーグタイトルが欲しい鹿島だが、直近4試合で勝ちがなく、失速気味だ。しかし、広島との直接対決となった第30節では、一時逆転を許すも17歳のFW徳田誉によるクラブ最年少ゴールで引き分けた。鹿島としては絶対に勝ちがほしい試合ではあったが、この引き分けで優勝争いにおいて首の皮一枚つながったところだろう。 シーズンを通してほとんど一貫したメンバーで戦う鹿島にとって、キーマンがFW鈴木優磨であることは不動だ。それに加え、今季はボランチを務める知念慶の守備力が屋台骨となってきた。MF佐野海舟の移籍によって、中盤の強度と推進力がやや低下したことは否めないが、鈴木、知念を中心にどこまで食い下がれるか。 鹿島よりさらに厳しいポジションにいるのがG大阪だ。7月14日の第23節以来、2敗4分と勝てていない。深刻なのは得点力だろう。直近6試合のうち4試合で無得点。上位のなかでは極端に得点数が少なく、シーズンを通しての課題でもある。 カギとなる、というより頼りにするしかないのがFW宇佐美貴史のクオリティだ。今季、幾度も劇的なゴールでチームに勝利をもたらしてきたエースも、ここに来てやや得点力が低下。だが、宇佐美の奮起なくして奇跡を起こすのは難しいだろう。