V奪回へ緊急補強に動いた巨人と動かぬ阪神 球団は連覇へ心血注ぐ岡田監督を後方支援せよ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
大激怒連発の岡田彰布監督(66)に対し、ひたすら静観?の阪神球団。両者のギャップをどう理解すればいいのでしょう。阪神は6月30日のヤクルト戦(神宮)で4点リードから逆転負け。2カ月連続の負け越し(5月=10勝13敗1分け、6月=9勝12敗1分け)で、4位に転落しました。「連覇しかない」と意気込んで臨んだ今季、折り返し点の過ぎた73試合で34勝34敗5分けです。当然ながら!?指揮官のイライラは募るばかりですが、4年ぶりのV奪回に向けてシーズン突入後も次々と戦力補強を敢行する巨人に比べ、阪神球団に補強の動きはなし。これは現有戦力への自信の裏返しなのか、それとも…。とても気になるコントラストです。 【写真】岡田監督の怒りを買った阪神の藤本敦士コーチ。試合後は記者に囲まれながらグラウンドを後にした ■4点差逆転負けに激怒 沸騰した湯気が頭から立ち上っているかのようでした。4点リードを八回に一気に逆転され、九回の反撃機は無謀?な本塁突入でゲームセット。神宮球場の三塁側スタンド前を歩いて引き揚げていく岡田監督の姿を見て、16年前を思い出してしまいました。あの時は引き分けに終わった後、同じ場所を歩いて帰っていると、スタンドのファンから強烈なヤジ。反応した指揮官は「お前、誰に言うとんねん。降りてこんかい!」と感情をむき出しにしていました。 その年、2008年は87試合目に優勝マジックを点灯させましたが、終盤戦に主力選手が次々と故障で離脱。巨人に大逆転を喫して2位に終わり、岡田監督は引責辞任しました。先に触れた神宮球場のシーンは追い詰められたシーズン終盤での一コマです。まるで歴史は繰り返される…ような怒りの姿。これは大爆発があるなと思ったら、予想通りでした。直後の報道陣の囲み取材で感情があらわになったのです。 ■怒りの矛先はコーチ陣へ 6月30日のヤクルト戦は5-1でリードした八回、リリーフの桐敷が2死一、二塁から村上に適時打を浴びて3点差になると、指揮官はブルペンに目をやりました。打者サンタナのところでゲラ投入へ…。ところが、ブルペンで投げていたのは漆原だけ。ゲラも岩崎も投球練習をしていませんでした。 「サンタナからゲラ行くつもりやったけど、びっくりしたわ。漆原1人で。あそこで漆原は酷やで。漆原なんか投げさすつもりなかったよ。ゲラと岩崎がやってないんやから。投げさせられへんやないか。なんで準備せえへんのやろうな」