V奪回へ緊急補強に動いた巨人と動かぬ阪神 球団は連覇へ心血注ぐ岡田監督を後方支援せよ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
試合後、怒りをあらわにした指揮官。仕方なく漆原を投入すると傷口は一気に広がり、最後は急遽(きゅうきょ)マウンドに送った岩崎が勝ち越し打を浴びて逆転を許したのです。
そして、今度は5-6の九回2死一塁で佐藤輝が左翼越え二塁打を放ちましたが、一塁走者の植田がホームを狙いタッチアウト。啞然茫然のゲームセットに、岡田監督の怒りの矛先はグルグルと手を回していた藤本三塁コーチャーに。「信じられへんわ。ええっ?て思った。二、三塁でええんちゃうの? 左投手(ヤクルト・田口)で(次が)きょう2本タイムリー打ってる打者(梅野)で」とまくし立てたのです。
「きょうの負けはめちゃくちゃ大きいよ、ハッキリ言うて。そんな簡単な一つの負けちゃうで。大変な負けやで、こんなん」と怒りが収まらない指揮官は、顔をこわばらせて帰途に就きました。
■遠慮会釈なく
令和6年。今の時代でここまで熱く、容赦なく、選手やコーチを叱り飛ばす監督は岡田監督しかいないでしょう。5月14日の中日戦(豊橋)でも、痛恨エラーの佐藤輝を「あれで負けた。あれで終わりよ」と叱責し、次の日には2軍降格。6月22日のDeNA戦(甲子園)では、4打数無安打3三振に終わった近本が「選択ミス」という談話を残すと、「選択ミスってどういう意味やねん。洗濯は白くなるもんや」と〝突っ込み〟。コーチにわざわざ真意を聴取させ、27日の中日戦(甲子園)から2試合スタメンを外しました。
客観的に見るならば、もう少し発言に気を付けて、自分の言葉が周囲にどのように受け取られるのかを考えた方がいいのでは…と思う人はいるでしょう。ボロクソに言われたコーチや選手の心情を考えるならば、敗軍の将、兵を語らずの方が得策ではないか-と思うのは当然です。しかし、古くから岡田監督を知る人たちの見方は違いますね。
「岡田監督はものすごい負けず嫌い。勝ってハシャギ、負けてむちゃくちゃ悔しがる。なので自然と腹の中で思ったことを口に出すんや。野球小僧がそのまま大人になったような人なんや」とある野球関係者は話し、こう続けました。