V奪回へ緊急補強に動いた巨人と動かぬ阪神 球団は連覇へ心血注ぐ岡田監督を後方支援せよ 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
「今年は特に感情があらわになるシーンが多い。それはそれだけ連覇を絶対にしたいと思っているからや。阪神球団初のリーグ連覇を達成し、新たな歴史を切り開きたいという思いがむちゃ強いんやな。だから言葉にも遠慮会釈はないんや」
■球団本部の仕事
なるほど、そういう捉え方をするならば、選手やコーチ陣に叱責の雨を降らせる心情は分からなくはありません。それほど今季のリーグ優勝に賭けている熱量の大きさの裏返しといえるわけです。
そうであるならば、気になるのは阪神球団の誠に静かな姿勢です。阪神球団は「世界に冠たる球団本部制」を敷いたその時から、戦力を整えるのは球団本部、監督たるフィールドマネジャーは球団本部が与えた戦力を自由に使い、優勝を目指す-という役割を打ち出しています。つまり戦力整備は監督の仕事ではなく球団本部の仕事です。
今季に4シーズンぶりのV奪回を目指す巨人はどうでしょう。5月上旬には前レンジャーズ3Aのエリエ・ヘルナンデス外野手(29)を獲得。ヘルナンデスは攻守に存在感を発揮し、3番センターを担っています。さらに新外国人選手として前ロッキーズ3Aのココ・モンテス内野手(27)も獲得寸前。西武とのトレードでは松原聖弥外野手(29)を放出し、若林楽人外野手(26)を獲得しました。これでもか…と阿部監督をバックアップしています。
■助っ人外国人不在
逆に阪神はどうでしょうか。現在、1軍にはノイジーもミエセスもいません。外国人パワー0%でチーム打率2割2分1厘、29本塁打はいずれもリーグワースト(6月30日現在)。点が取れないから投手陣にしわ寄せが来て、試合終盤に苦しくなる。指揮官はいらだちを隠せず、言葉もきつくなる。球団に岡田監督の連覇への思いと同等な気持ちがあるならば、もっと機敏に動くのが当たり前だと思いますが、どうでしょう。
新外国人野手を獲得するのか、1軍昇格のチャンスがなかなか得られない2軍の投手を駒にしてトレードで野手を狙うのか。打線の強化はマストで必要と思うのですが、現時点で動きはサッパリです。