銅メダル決定後にまさかの剥奪 女子体操で起きた“疑惑の判定”にルーマニア側が憤怒「アメリカに奪われた」【パリ五輪】
熱戦続くパリ五輪で、ふたたび疑惑の判定が物議を醸している。 現地時間8月7日、パリ五輪・体操女子の種目別・床決勝が行なわれ、ルーマニア代表として出場したアナ・バルボスが、一度は3位になり表彰台圏内に入ったものの、採点見直しで4位に転落。まさかの形でメダルを逸する事態が発生した。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック 一時は3位の結果に驚いた表情をみせ、歓喜の雄叫びを上げたバルボス。しかし、直後に5位だったジョーダン・チャイルズ(米国)のコーチ陣が採点に異議を唱え、審判団に見直しを要求。これによりバルボスには0.1ポイントの減点が言い渡され、なんと4位に転落。一方で得点が0.1ポイント上がったチャイルズは3位に浮上。土壇場で銅メダルを手にする選手が入れ替わった。 17歳の少女の夢は異例の判定変更で散った。この決定にルーマニア国内では、怒りの声が噴出。ついにはマルチェル・チョラク首相も自身のFacebookで「ルーマニアの女子選手たちが不名誉な扱いを受けた今回の体操界の不祥事を受けて、私はパリオリンピックの閉会式に参加しないことに決めた」と“ボイコット”を公言。「誠実に努力をし、手にしたメダルを控訴に基づいて取り消すことは、コーチも、選手も納得していない。絶対に受け入れられない」と怒りを露わにした。 さらに「世界中の人々が、今回の恐ろしい光景にショックを受けたという事実は、この競技会を組織するシステムのどこかに何かが間違っていることを示している」とも綴ったチョラク首相。この言葉を伝えるルーマニア・メディアの反応も一応に審判団に対する不満で溢れかえっている。 大衆紙『Libertatea』は、「明らかにバルボスは不利だった。彼女は被害者であり、問題を抱えているのは不十分な証拠で判定を覆した審判団だ」と怒涛の主張を展開。さらに日刊紙『Gandul』も「バルボスは床で銅メダルを獲得した。だが、彼女が喜びに浸れたのは、ほんの数分だった。アメリカチームによって奪われたのだ」と報じた。 ルーマニア側の怒りはもはや収まりそうにないが、審判団は何らかの説明をするだろうか。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]