空き時間を有効活用!単発バイトの時給200円アップに挑む
7月。「タイミー」の営業スタッフは、バッジ機能を説明するため、「ロイヤルパインズホテル浦和」(さいたま市浦和区)を訪れた。人手不足が深刻なホテル業界。このホテルでは繁忙期の人手を確保するため、これまでもスポットワークを利用してきた。 スポットワークを利用する事業者は、働いた人の報酬に30パーセント分の手数料を上乗せし、「タイミー」に支払う仕組み。これにバッジ機能分を加算するとさらに値段が高くなり、事業者側の負担は大きくなる。 時給に見合う即戦力とマッチングできるのか…。担当者は疑いつつも、バッジを持つ人専用の求人に切り替えることになった。 今回は、普段より高い時給1200円での募集だが、果たしてどんな人がやって来るのか。
さらに「タイミー」は、こうした反応の良い企業の力を借り、スポットワーカーのスキルアップと待遇改善を推し進めようと“ある施策”を行っていた。 しかし、優秀な人材が欲しい一方で、そう簡単には人件費を上げられない業種が多く、スポットワーカーの賃上げは容易ではない。 さらに10月1日、全国平均で時給1004円だった最低賃金が50円以上引き上げられ、その上げ幅は過去最大に。最低賃金が上昇する中、事業者は200円の上乗せを受け入れてくれるのか…。「タイミー」は対応を迫られていた。 「“良い人は報酬を上げてください”と交渉していくことは、すごく重要だと思っている。プラットフォームだから何もやりませんというわけじゃなく、プラットフォームだからこそ、しっかりと啓蒙できることがある」(小川さん)。
スポットワークから正社員へキャリアアップ
人々が自由に働きやすくなるスポットワークだが、企業の都合で必要な時だけ人材を確保できる非正規雇用の拡大は、かつて社会を揺るがした「派遣問題」を想起させる側面もある。 2003年、労働者派遣法改正により、製造業への人材派遣を解禁。しかし、2008年にリーマン・ショックが起きると、企業業績が悪化する中「派遣切り」が横行し、大量の失業者が生まれ、泊まる場所と食事を提供する「派遣村」まで開設された。 そして今、新たな非正規労働のスポットワーカーが急増し、その数は約2500万人。不安定な雇用状態の人が増えることが懸念されている。 そこで「タイミー」は、スポットワーカーたちのキャリアアップに向けて、正社員への転職支援を行うサービスを始めていた――。 ※「ガイアの夜明け」より
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