空き時間を有効活用!単発バイトの時給200円アップに挑む
宮野さんの日課は、アルバイトで感じたことを書きためること。「どんなに忙しくても、どんな状況であっても1ミリもピリピリしない」「ワーカー達に思い切って仕事を任せる」など、職場で得たさまざまな教訓が並んでいた。 いつしか、「接客を教えるコンサルタントになりたい」という夢を抱くようになった宮野さんは、「自分が接客に救われたし、いっぱい幸せをもらっている。素晴らしい仕事なので、それを知ってほしい」と前向きだ。 10月。「THE 赤提灯」に入った宮野さんは、接客の指導を任された。新たな夢を持った宮野さんを、店も後押ししているのだ。指導するのは、「THE 赤提灯」での勤務が初めての大学4年生。スポットワークで新たな夢を見つけた宮野さんの挑戦は、一歩ずつ進んでいる。
スポットワーカーの高時給をめざせ!先駆者「タイミー」の新たな挑戦
スキマ時間を活かす、新たな働き方「スポットワーク」。創業から6年で上場を果たした「タイミー」(東京・汐留 売上高 161億円 従業員数 約1300人)は、スキマバイトサービスのパイオニアだ。現在、スポットワーカーの登録者数は900万人を超えている。
時代の寵児となった小川嶺代表(27)だが、ここまでの道のりは順風満帆ではなかった。 20歳の時、親から事業資金を借りてファッション系IT企業を立ち上げるも、すぐに挫折。その借金を返済するため、派遣やアルバイトで働く中で、あるアイデアがひらめく。 「暇な時間がある。まさにそれはスキマ時間。この時間が誰かに求められる時間に変わったら、自分としても満たされる。時間の有効活用のサービスをつくりたいということがきっかけだった」。 小川さんは2018年に「タイミー」をスタートさせ、スポットワーク市場を切り開く。 今や人材系企業やIT企業など、大手が続々と市場に参入。4月には「メルカリ」も参入し、7カ月で登録者数800万人を突破するなど、先駆者「タイミー」を猛追している。
そんな中「タイミー」は、登録者の時給をアップさせる新たなサービス「バッジ機能」をスタートさせた。バイト先から良い評価を多く得た働き手には、「タイミー」がバッジという称号を与える。仕事の内容に応じて14種類のバッジがあり、これを獲得すると、働き手は最低賃金に約200円上乗せした時給の仕事ができるようになる。事業者側にとっても即戦力を得やすくなるというシステムだ。