三重・桑名と言えば「ハマグリづくし」定食…身が軟らかく、ふっくらして甘みがあります
木曽三川と伊勢湾の汽水域で育つ三重県桑名市のハマグリは江戸時代、徳川将軍にも献上された名産だ。そのハマグリがお値打ちに食べられるという桑名港近くの複合施設「はまぐりプラザ」にある食堂「はまかぜ」を訪れた。
食堂を運営するNPO法人「赤須賀まちづくり推進協会」の水谷智昭理事(70)は「桑名産のハマグリは身が軟らかく、ふっくらして甘みがある。地元の漁協から直接仕入れている」と胸を張る。
「5~6分加熱して自然に貝の口が開いたら、食べ頃のサイン」
水谷さんのおすすめで注文したのは赤須賀定食(2200円)。簡易コンロの上で焼くハマグリ3個と海苔(のり)で包んだハマグリの磯辺揚げ、ご飯にシジミのみそ汁などが付いている。1個ずつアルミホイルに包まれた5センチほどのハマグリを焼く。「5~6分加熱して自然に貝の口が開いたら、食べ頃のサイン」と水谷さんが教えてくれた。
姿を現したハマグリの身はぷりぷりしたクリーム色で、食べると貝の甘みと潮の香りが口いっぱいに広がる。磯辺揚げもサクサクの衣にハマグリのうまみが感じられ、身も心も満たされた。
年間約3000トンあった桑名のハマグリ漁獲量は干潟の減少などで激減し、一時1トン以下まで落ち込んだ。しかし、地元漁協が稚貝の種苗生産や放流、漁獲制限を続け、近年は年間100トン近くまで回復した。
こちらもオススメ…生き物をイメージしたクッキー
食堂から1キロほど離れた場所には、生き物好きが集まるクッキー専門店「クリマロコレクション」がある。動物から微生物まで様々な生き物をイメージしたクッキーを常時約200種類(1個550円)販売している。店主の栗田こずえさん(40)は「クッキーを通して生物多様性を表現したかった」と訴える。店内には栗田さんが飼育するフクロウやカメレオンもおり、じかに触れ合える。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。
食堂はまかぜ
三重県桑名市赤須賀86の21