黒木華、結婚に前向きになれない心の揺れ「共感できた」 映画「アイミタガイ」に主演
誰かの何気ない言葉で救われることもある
――心の再生を描いた作品でもありますが、人が立ち直っていく上で大切なことはどんなことだと思いますか。 黒木: やっぱり自分一人だけでは解決できないことはありますから、人と関わり合うことで助けられることってあるなと改めて思いました。誰かから言われた何気ない言葉で救われることもありますし、私自身、友達と頻繁に連絡を取る方ではないけれど、ずっと繋がっている友達もいます。もしかしたら、自分でも知らないところで誰かとの縁が繋がっていくこともあるのかもしれないなと思わせてくれる作品だと思います。 ――本作のタイトルになっている「アイミタガイ(相身互い)」は「誰かを想ってしたことは、巡り巡って見知らぬ誰かをも救い、やがて自分の元に返ってくる」という意味を持つそうですね。 黒木: すごく素敵な言葉ですよね。きっと若い頃はこの言葉を聞いてもあまりピンとこなかったかもしれないけれど、人は人によって成長することもある。改めて「いい言葉だな」と感じる歳になったんだなとしみじみ思います。 「お互いさま」という言葉もありますが、そうやって支え合いながら続いていく関係性もあるでしょうし、この言葉があって、中條さんがその思いをのせて描いたからこそ、人と人との繋がりの温かさを感じられる映画ができたと思います。私も、自分が誰かのためになっていればいいなと思うし、誰かが受け取ったものがまた別の人に繋がって、巡り巡ってまた誰かに返せていたらなと思います。
●黒木華(くろき・はる)さんのプロフィール 1990年、大阪府出身。2010年、NODA・MAP 番外公演「表に出ろいっ! 」でデビュー。『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭銀熊賞を日本人最年少で受賞。近年の主な出演作に大河ドラマ「光る君へ」、舞台「ふくすけ」、映画『八犬伝』などがある。 ■映画「アイミタガイ」 監督: 草野翔吾 脚本: 市井昌秀、佐々部清、草野翔吾 原作:『アイミタガイ』(中條てい著、幻冬舎文庫刊) 出演:黒木華、中村蒼、藤間爽子、田口トモロヲ、西田尚美、風吹ジュン/草笛光子ら 11月1日(金)より公開 © 2024「アイミタガイ」製作委員会
写真:植田真紗美