黒木華、結婚に前向きになれない心の揺れ「共感できた」 映画「アイミタガイ」に主演
お互いへの尊敬が大人同士の友人関係を保つ秘訣
――梓と叶海の学生時代の友情も描かれていましたが、大人になるとお互いのライフステージの変化などで疎遠になったり、友人関係を保つのが難しかったりすることもあるようです。 黒木: 私は気が合う人としか友達にならないので、友人関係でそんなに苦労したことはないですし、大人になったからといって関係性もあまり変わりません。もういい大人ですから陰で「誰々がさ~」みたいなことは言ったりしませんよ(笑)。それに、価値観が似ている人と友達になることが多いので、自分と同じような考え方を持っている人たちが自然と集まるんですよね。親しき仲にも礼儀ありで、お互いに尊敬し合っていることが大人になっても変わらない関係を保つ秘訣かもしれません。 ――転校生で学校に馴染めずにいた梓をトイレの個室から連れ出したのも、ブライダル課への異動を後押したのも叶海でしたが、黒木さんにとって、前に進もうとするときに背中を押してくれる存在とは? 黒木: やっぱり母ですね。私は自分を育ててくれた両親をすごく尊敬しているんです。特に母は人生の先輩であり、最近は友達みたいな関係性にもなってきていて、いつも背中を押してくれます。 ――大人になると、母親との関係がうまくいかずに悩んでいる方もいます。 黒木: 私は親子だろうがきょうだいだろうが、無理をして自分を犠牲にしてまで一緒にいることはないし、ずっと仲良くしなければいけないわけではないと思っています。30歳を過ぎて思うのは、母も一人の人間なんだということです。間違うこともきっとあるだろうし、気が合わないこともきっとあるでしょうし、それを認めあえることが大切なのだと思います。 ――友人や恋人以外にも、職場や親せきの人との出会いによって梓の考え方や価値観が変化していきましたが、黒木さんはそういった経験はありますか? 黒木: 色々な方とお仕事させていただくので、先輩や年下の方とも共演することが最近は増えました。一緒に作品をつくっていく中で「この人はこういう風に考えてお芝居されているんだ」とか「監督はこういうことを考えてこのシーンを撮りたいと思っているんだ」と気づくことや、影響を受けることは多分にあります。