印象的なメロディの宝庫! ノルウェー出身の作曲家グリーグの『ペール・ギュント』【クラシック今日は何の日?】
クラシックソムリエが語る「名曲物語365」
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
グリーグ『ペール・ギュント』 印象的なメロディの宝庫がここに
今日6月15日は、北欧の作曲家グリーグ(1843~1907)の誕生日です。 ノルウェーのベルゲンに生まれたグリーグは、民族舞曲のリズムや民謡を旋律素材として用いた叙情性あふれる音楽を数多く残した作曲家です。 代表作として名高い『ペール・ギュント』は、グリーグと同郷のノルウェーの劇作家イプセン(1828~1906)からの委嘱を受けて作曲された劇音楽で、26のバラエティに富んだ小曲からなる名作です。この音楽を、作曲者グリーグ自身が管弦楽用に編曲した2つの組曲は、コンサートでも頻繁に演奏される人気プログラムとなっています。 中でも名高い『朝の気分』の清々しさはまさに北欧の作曲家グリーグならでは。澄み切った空気の中で迎える気持ちの良い朝の雰囲気がとても美しく描かれた名曲です。 さらには、印象的な『ソルヴェイグの歌』は、NHK「みんなのうた」において歌詞が付けられ、『みずうみ』という歌となって大貫妙子さんが歌ったことでも有名な名旋律です。
田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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