東国原英夫氏、県知事時代に体験した“男性更年期障害”の過去。発汗、不眠、やる気の欠如…「たけし軍団時代は何を言っても許されたけれど」
褒められることが“薬”ではあるが…
まさに、たけし軍団から宮崎県知事へ変わった東国原氏の当時の状況は、男性更年期障害を生じる要因として、そっくりそのまま当てはまる。また、堀江氏は「よく眠ることや適度な運動、そして褒められることで改善に向かう」とも解説するが、知事に就いたばかりの東国原氏にとっては難しかったという。 「そもそもマラソンが趣味でしたが、県知事という自分の立場は警護対象になるので走ることは控えてました。また、仕事柄、褒められるというよりもお叱りを受けることが当たり前です。例えば、マンゴーやチキン南蛮、肉巻きおにぎりなど、特産品の魅力を伝えることで生産量をあげたとアピールしても『あなたがPRしすぎて、去年まで買えたマンゴーが高くて買えない。マンゴーみたいな顔して!』と地元の方から怒られることもありました。一言一句に責任が出ますし、それがストレスだったかもしれません。たけし軍団時代は何を言っても平気でしたから(笑)。」(東国原氏) 一挙手一投足が耳目を集め、ニュースになる知事職にあって、健康不安を感じさせぬよう、不調を感じていても易々と病院にかかることはなかったという東国原氏。知事退任後に訪れたメンタルクリニックで男性更年期かもと診断され、泌尿器科の受診を勧められたのは、心身の不調を感じてから実に7年後のことだった。 「そもそも当時は男性更年期障害というものを認識してなかったのも医療機関の受診が遅れた一因だったかもしれません。あの頃、男性更年期障害を知っていれば、もっと救われたのにと、今になれば思います。ほどよく体を動かしてください、という医師の勧めでジョギングも復活し、少しずつ改善していきました」(前同)
男性更年期障害とうつ病、どう違う?
男性更年期障害は不眠、倦怠感などのうつ症状も伴うが、“うつ病とイコール”というわけではない。堀江氏によると、「男性更年期障害がうつ病と明確に違うのは、うつ病は体重が減りがちだけど、男性更年期障害はそうではない」という点だとか。 「更年期症状を自覚しているなかで、実際に受診する男性は2割程度です。自分でも認めがらないし、人にも言わない。ただ、テストステロンが低いままだと、高血圧、糖尿病、がん、心血管疾患、うつ病、サルコペニア(筋肉が減る病気)等の罹患率、死亡率が高くなります。不調を感じたら医療機関への早めの受診をおすすめしますし、夜トイレに起きる、笑顔が減るなどの変化もあるので、ご家族や知人など周囲の人も気づいたら声をかけてほしいです」(堀江氏)