「いざとなると難しい」冷静に謝罪する準備の方法 「伝えること」と「伝えないこと」をどう整理する?
我々は普段なら出社していない、こんな朝早い時間に集まっているわけです。会食が長引いた、タクシーがつかまらなかった、雨が降ってきた、不眠不休がどうこうとか、確かにいろいろな事情が重なったのでしょうけど、会議に出席している皆さんに対する謝罪の気持ちが伝わってきません。 まして、本日も同じ相手と会食で、早く切り上げられるなどという情報は、正直言って、不快ですよ。今後もこういうことが起きる気がします。明日までに仕上げるのは当然です。社員Bに聞けばわかるとは、どういう言い草ですか!」
……本当に、ごもっともなお叱りだと思います。社員Aさんは、大いに反省したほうがよさそうですね。私も社員Aさんに、こんなシナリオを押し付けてしまって、誠に申し訳ないです。お詫び申し上げます……。 ■X責任計画法を使って謝罪内容を整理する さて、挽回しましょう。ほとんど同じメッセージでも、「X責任計画法」を使って、通勤電車の中で社員Aさんがエビデンスを整理していたら、どんな謝罪ができたのでしょうか? 下が今回の「X責任計画法」での整理です。
縦軸に「説明責任」と「道義的責任」、横軸に「伝える」と「伝えない」を設定します。 伝えることで説明責任を果たすのが左上の「伝えること」のマス。伝えないことで説明責任を果たすのが右上の「伝えないこと」のマス。伝えることで道義的責任を果たすのが左下の「伝えるべきこと」のマス。そして、伝えないことで道義的責任を果たすのが右下の「伝えるべきでないこと」のマスです。 この表の使い方ですが、まず、「伝えること」と「伝えるべきこと」は、聞かれなくても進んで伝えます。そして、仮に事実であろうと、あまり話の文脈に関係がなく、会話の雑音(ノイズ)になりそうなことや、案件に照らして、言う必要まではないことは「伝えないこと」として言わず、また言い訳に聞こえたり、責任転嫁になったりしそうなことは「伝えるべきでないこと」として差し控えます。