「いざとなると難しい」冷静に謝罪する準備の方法 「伝えること」と「伝えないこと」をどう整理する?
同様に、「伝えるべきこと」に分類した内容は、仮に聞かれなくても伝えます。そして「伝えるべきでないこと」は、聞かれても伝えません。これは、必要十分に道義的責任を果たすためです。 この計画法を、「X(クロス)責任計画法」と呼びます。説明責任と道義的責任、伝えることと伝えないことを、縦軸と横軸で交差(つまりクロス)させて、4つのマスを計画する方法です。 謝罪を伝えるコミュニケーションでは準備を強く、おすすめします。
謝罪内容を整理しないとどうなるか? では例を見ていきましょう。 社員Aが、社内の会議に臨んでいます。どうやら社員Aは、資料を準備しきれなかったようです。社員AはX責任計画法を行わずに、次のように話しました。 社員A「おはようございます。本日の会議を始める前にまず、発表資料の進捗について、説明させていただければと思います。現時点で、資料は半分ほど完成しておりますが、すべてを準備できておりません。
理由としては、昨晩の会食が長引きまして、会食後に最終電車で帰宅できませんでした。タクシーもつかまらず、歩いて帰ったのですが、雨も降りだしてしまいました。 不眠不休で家にたどり着いたものの、やはり資料準備はできずに、今朝の会議を迎えた次第です。今日中には完成させていただきます。 確かに残り半分のほうが準備は大変なのですが、私の得意分野ですので、やろうと思えばすぐにできると思います。なお、これらの事情は、社員Bも一緒におりましたので、事情はよく知っていると思います。本日も会食が入っておりますが問題ありません。
相手は同じですが、昨晩もこちらが無理を言えば、早く帰ることもできた雰囲気でしたから、今日は早く帰ると伝えるつもりです。申し訳ございません」 ……さて、あなたが上司ならば、この「説明」で準備不足の件を、不問に付しますでしょうか? 可愛い部下の将来を思えばこそ、このように指導したくなりませんでしょうか? 上司「その説明では、ちょっと納得できないです。まず、昨晩以外にも準備時間はあったのではないですか? 残りの作業が大変だとか、自分の得意分野だとか、そういうあなた本位な事情や過信のようなものをよしとするような方に、この大事な仕事を任せるのはとても心配です。