39歳で高齢出産して育児ノイローゼ気味だった私を救ってくれた「アメリカのママ友」の話 武内陶子
■いろんな国の「ママとベイビーたち」との出会い それで私も、5カ月の娘を連れてついて行くことになったわけ。 アメリカでの暮らしはなかなか衝撃的でした。国土が広いというのは、なんだかいろいろと余裕が生まれるのでしょうか。サンフランシスコの郊外のパロアルトという小さな街であったこともあり、道が広いから車はどこに止めてもオッケーだし、図書館に行って本を何冊借りても何も言われないから「何冊借りられるんですか?」と聞いてみたら「50冊よ」とか言われるし(すげー! と思って一回50冊借りてみようと思ったら重くて持てなかった笑)、なにしろおおらかな国です。 ある時、同じアパートでちょうど子どもの誕生日が同じぐらいのママ友ができ、「近くのコミュニティーセンターでママとベイビーが集まる会があるから、行ってみない?」と誘われて行ってみることに。 行ってみると、生まれて1年以内のベイビーを連れたママさんたちが7~8人来ていました。地元カリフォルニア出身のママの他にも、ドイツやオーストラリアなど、いろんな国のママとベイビーたち。そしてコーディネーターが1人。「自由に食べてね!」と、飲み物やちょっとしたスナック(小さな箱に小分けになった干しブドウとかクラッカーとかチョコバーとか)が置いてあり、ママたちはぐるっと輪になって床に座ってお話するんです。その間、赤ちゃんたちはそのママたちの輪の中に放し飼い(笑)。 そして毎回何をするでもなくコーディネーターが「今週どうだったか1人ずつ話してみて」って言って、そのあとはみんな一通りいろいろあったことを話すだけ。私は相変わらず娘がなかなか寝てくれず夜中もずっと授乳で全然ゆっくり眠れない、というのが悩みだったのだけれど、きっとアメリカのママたちには悩みなんかないんだろうなあって勝手に思ってたんです。ところが話し出すと出てくる出てくる。しかもみんな聞いたことないようなことなのよ。