鹿児島県警の不祥事に幕引き…前本部長は降格か?「自動車安全運転センター」に異動の不自然
「在任中に疑念を晴らせず心残りだ」──。 鹿児島県警前生活安全部長=国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴=に「県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとした」と名指しで訴えられていた鹿児島県警の野川明輝前本部長(53)。今月5日付の警察庁長官官房付への異動前の1日、県警本部で離任会見を開き、冒頭のように悔恨した。 【写真】鹿児島県警「情報漏洩事件」で元巡査に有罪判決…再発防止策は“絵に描いた餅”と疑問の声 「会見で野川前本部長は、記者から隠蔽を名指しした前生活安全部長の裁判が始まる前の異動となったことについて問われると、『今後は私が説明するよりも、説得力のある方法によって事実が明らかになると期待している』と発言。県警の信頼を損ねたことに改めておわびすると謝罪しました」(地元メディア関係者) この離任会見後、野川前本部長は13日付で自動車安全運転センターへの異動を発令されたが、この人事に対して「警備畑の彼が行くようなポストではないはず」と警察庁関係者は首をかしげる。 「自動車安全運転センターは警察庁長官経験者などが退任後に行く場所ではありますが、交通畑ではない、警備畑の前本部長の出向先としては不思議に感じます。通常、彼のような警備畑の人間が出向するのであれば内閣情報調査室などの内閣系の部署が一般的です」 警察庁は今回の異動に関して「あくまでも左遷ではなく、降格人事だということを見せないように組織防衛している」(前出の記者)というが、前出の警察庁関係者は「やはり(一連の不祥事で)現場には出せないと判断されたのではないか」と推測する。 「世間から耳目を集めた不祥事の責任者ですから、他の出向先が彼の引き受けを固辞したことも考えられます。もし、在任期間中に今回のような不祥事が発覚しなければ、離任後に本庁の課長クラスなどへ昇任していたかもしれません。今回の人事を見ていると通常のキャリアコースからは外れたように感じます」 県民の信頼を損ねた代償は高くついたのかもしれない……。