歴史学者・磯田道史が入れ込む映画『花戦さ』に描かれた“生かす戦国”とは?
今の時代だからこそ見て欲しい
この映画は、日本文化がオーケストラ状態に配置されています。華道あり、茶道あり、陶器あり、香もたかれ、画も描かれる。成熟しつつあった日本文化が全部ここにあります。血なまぐさいアクション戦国映画も楽しいんですが、こういう映画もありですよね。それを、昔、アクションやチャンバラ映画、任侠映画で一世を風靡した東映が作ったというんですから面白い時代です(笑)。見たことのない戦国、見たことのない時代が、音をともない、総天然色で描かれるなんて映画ならでは。いまだからこそ必要で、見ると面白い映画だと思います。 (文・撮影:関口裕子) ■磯田道史(いそだ・みちふみ) 1970年岡山県生まれ。2002年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。史学博士。主な著書に『徳川がつくった先進国日本』『無私の日本人』『天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災』『近世大名家臣団の社会構造』『歴史の読み解き方 江戸期日本の危機管理に学ぶ』『龍馬史』『日本人の叡智』『歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ』『武士の家計簿』などがある。 『花戦さ』狂言×歌舞伎×日本映画界のトップが競演する痛快エンタテインメント映画 6月3日(土)全国公開