2024年「司法の不祥事」相次ぐ…弁護士・裁判官・警察官・検察官が行った“世紀末”的な違法行為とは?
「検察官」による証拠捏造や違法行為の指摘が相次ぐ
袴田事件再審無罪などが、今年の重大ニュースであることは、議論の余地がない。こちらの話題については、関連記事【袴田さん再審無罪は「2024年を“象徴”する判決」 証拠のねつ造、えん罪…捜査機関の“無謬神話”崩れた1年】にて言及しているため、詳細は割愛する。 ただ、袴田事件の再審無罪の判決文では、検察官による証拠や事実の捏造(ねつぞう)などが指摘された。8月には現職検察官の罪を問う付審判請求が史上初めて認められ、10月には福井女子中学生殺害事件の再審が決定するなど、裁判所が積極的に、問題を問題だとはっきり宣告し非難してくれているところには、一定の希望も見いだせると感じる。
人が誤るという当たり前を受け入れる社会であるべき
こうして、司法に関わる重要な立場にあるものたちの不祥事ニュースが並んだ2024年。ただ、記事冒頭に偽りありかのようで恐縮だが、これを世紀末と嘆くべきではないのかもしれない。人が関わる場面では、たとえどれだけ高い倫理が求められる職位などが設けられていても、不正は行われる。だから、そのような人によるエラーを正しく措置し、ケアしていける社会やルールでなければならないと考えるべきではないだろうか。 無謬(むびゅう)性のような信仰を捨て、人を過大評価せず、ありのままに受け入れられる。そんな社会を求めて、私もまずは司法の領域から、等身大のコメントを今後も発していきたいと考えている。
杉山大介