【円安・円高…FXの甘い誘惑】30代会社員がはまった「海外FX」のレバレッジ沼、一獲千金狙いも150万円の借金地獄に
結婚、出産、離婚、子どもの受験、親の介護…。人生100年時代に直面する様々なライフイベントを乗り越えていくために必要なのが「お金」です。ただ、日々の生活に追われていると、いざという時のための「マネープラン」を考えていないケースがほとんどではないでしょうか。 【写真】為替の変動で大儲けできると安易に考えてはいけない Money&You取締役でファイナンシャルプランナーの高山一恵氏のもとに寄せられた相談事例を通じてマネープランを考えていく連載「人生100年のマネー相談」。今回は、30代でメーカー勤務の独身会社員が「FX」の沼にハマってしまった事例をご紹介します。円安/円高の為替変動が日々、ニュースを賑わせていますが、大きな為替差益を狙うFXの誘惑には要注意です。(JBpress) (高山 一恵:Money&You取締役、ファイナンシャルプランナー) (注:相談者のプライバシーに配慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください) 今回ご相談にやってきたのは、中堅企業のメーカーに勤務する30代、独身男性のHさん。 センスの良い洋服を身にまとい、爽やかな好青年といった印象のHさんでしたが、相談内容を聞いてびっくり。なんと150万円の借金を抱えているとのことでした。借金の原因は「海外FX」とのこと。 なぜ、FXの沼にハマってしまったのか、お話を聞いてみることにしました。
■ NISAやiDeCoではなく、なぜFXなのか 今年から新たなNISAがスタートしたこともあり、多くの人がNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用しながら、投資信託を軸にコツコツと長い時間をかけて積み立てていくという投資スタイルが広がってきています。 そうした中で、FXを選ぶ人は、「一発逆転」狙いの方が多い印象を受けます。一昔前は、株式投資で一発逆転! という方も多かったのですが、「会社四季報」を読んで財務分析して銘柄を選ぶといった勉強が必要な株式投資は、正直手間がかかります。 一方のFXは、為替が円高にいくか、円安にいくかという、ある意味、二者択一の世界。つまり、ギャンブル性の強い取引ともいえます。 もちろん、経済状況を勉強し、為替の動向を掴むことは大切ですが、全く知識がない人でも一か八かで、勝負に勝ててしまう可能性があります。