リフォーム拡大へM&A検討 エディオン「第2の柱」に 久保会長・高橋社長が意欲
家電量販のエディオン(広島市中区)の久保允誉(まさたか)会長と高橋浩三社長が中国新聞の取材に応じた。6月下旬、21年ぶりに社長を交代するなど新たな経営体制に移行。「第2の収益の柱」とするリフォーム事業の拡大に向けて企業の合併・買収(M&A)を進める考えを明らかにした。旗艦店の新規出店にも意欲を示した。 創業の地、広島の旗艦店「エディオン広島本店」はツインタワー エディオンがリフォーム事業に本格参入したのは2009年。台所や風呂、トイレに加え、和室や窓など幅広く手がける。本体価格に工事費などを合わせた一式の料金での提案が好評で、24年3月期の連結売上高7210億8500万円のうち633億4千万円と1割近くを占める。 今年3月には、取引先でもある外壁、屋根塗装などの麻布(愛知県春日井市)を完全子会社にした。協力関係を強め、全国に拠点を置く麻布の営業力を生かす方針。事業拡大に向け、久保会長は「M&Aを仕掛けていこうという思いはある」と語った。 家電にもインターネット販売が広がる中、物流網も整備している。昨年10月に宮城県、今年4月に山梨、新潟両県に物流拠点を開設。全都道府県で家電の配送と設置が可能になった。「(本店、本社を置く)広島や大阪と同様のサービスが全国で提供できる体制をつくる」と久保会長。今月1日には室山運輸(岡山県倉敷市)を傘下に加え、「運送関係の提携もしっかりやっていく」と述べた。 出店エリアの拡大も視野に入れる。来年4月に予定する子会社のサンキュー(福井市)の吸収合併で、意思決定のスピードを上げる。北陸を中心に同社が運営する家電量販店「100満ボルト」や、「エディオン」の店名を地域に合わせて使い分けながら、店舗のない東北地方へ進出する足がかりにする考えだ。 高橋社長は旗艦店の新規出店について「エディオンの認知度を広める重要な役割もある」と強調し、候補に福岡市や名古屋市を挙げた。昨年12月に開業した横浜西口本店(横浜市)では、アミューズメント関連に売り場を大きく割いた。既存店より来店客の年齢層が15歳ほど若く、20~30代が多いという。「店を体験してもらい、家電に興味を持ってもらいたい」と語った。
中国新聞社