北朝鮮人権決議案、20年連続で採択 拉致問題解決求める 国連総会委
【ニューヨーク時事】国連総会第3委員会(人権)は20日、北朝鮮による拉致問題などの人権侵害を非難し、解決を求める決議案を議場の総意(コンセンサス方式)により投票なしで採択した。 同種の決議案採択は20年連続で、年内に総会本会議で正式に採択される見通し。 決議案は欧州連合(EU)が提出し、日本や韓国は強い賛意を示す共同提案国に加わった。同案は「強制的に引き離された拉致被害者や家族は長年にわたり苦痛を味わっている」と指摘し、即時帰還の実現を訴えた。 今年は、北朝鮮が南北統一を放棄し、韓国を「敵対国」とする路線転換を進めていることを受け、離散家族の人権状況についての懸念も表明した。 これに対し、北朝鮮の金星国連大使は採決前に演説し「決議案は偽造書類だ。わが国に人権問題は存在し得ない」と反発した。ロシアや中国、イランなどは北朝鮮を擁護し、コンセンサスに加わらなかった。