元特捜検事、取り調べ「不穏当」 大阪、横領無罪の国賠訴訟尋問
大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で、無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長(61)が違法な取り調べがあったとして国に7億7千万円の賠償を求めた訴訟の口頭弁論が11日、大阪地裁で開かれた。山岸氏の元部下=業務上横領罪で有罪確定=を取り調べた大阪地検特捜部元検事の田渕大輔・東京高検検事(52)の証人尋問が行われ、当時の取り調べについて「不穏当だった」と認めた。 【写真】冤罪の被害額は70億円、248日間の独房暮らし 「それでも検察は謝罪も検証もしないのか!」東証1部上場企業創業者・山岸忍さんの怒り
検察独自捜査の担当検事が尋問されるのは異例で、捜査の一端が明らかになった。 田渕氏は当時の取り調べで「検察なめんなよ」と発言した。国側の代理人から理由について問われると「命を懸けて捜査していることを伝えたかったが、不穏当な言い回しだった」と述べた。 法廷では「大罪人」などと迫る当時の取り調べ録画も再生された。録画は約5分間で、田渕氏が元部下に「あなたはプレサンスの評判をおとしめた大罪人」などと詰問する様子が法廷で映し出された。田渕氏は「取り調べに真摯に向き合っていないと感じた。薄ら笑いだった」と説明した。