ハリルの所信表明会見から見えた期待値とは?
ハリルホジッチ新監督は、「例え相手が世界で一番強いチームであっても私は『勝つことにトライしよう』と言う。トライをしないで負けることが最悪なのだ」と、勝利のメンタリティを植えつけることを強調した。 ブラジルW杯では、決勝トーナメントの一回戦で結果的に優勝したドイツを延長戦まで追い込みながら敗れた。ハリルホジッチ新監督は、その時、人目をはばからず男泣きをしてメディアの話題となった。イビチャ・オシム氏のような理論と信念と厳格さに加えて、こういう激情家としての側面を持つハルリホジッチ新監督は、これまでの日本の代表監督にはなかったキャラクターかもしれない。フィジカル、テクニック、戦術の上に世界と勝負するための勝者のメンタリティが加われば新監督の願う「復活」への期待値は高まる。 ハリルホジッチ新監督は、自信家らしく「デリケートなシチュエーションで監督を率いた経験がある」と、何度も能弁に語った。流儀を貫き通すため、ジャーナリズムや組織とぶつかった経験があるため、「時間が欲しい。我慢が必要」と、エキスキューズをしておくことも忘れなかった。日本のサポーターやメディアの反応が未知ゆえに、アギーレの後任への過度な期待と、早急に結果を求められることへの不安もあるのだろう。 新監督は自らのサッカー哲学や戦術を一日も早く代表メンバーに落としこみたくてうずうずしているようだった。「哲学や意見、仕事の仕方を早く選手に会って説明したい。故障者にも会いたい」ともいう。内田篤人や長友佑都ら故障離脱組の召集を念頭に置いての発言にも聞こえた。 「日本にはクオリティがある。少し自信を失っているのかもしれないが、私はチームを向上させることができる。何かをなし遂げることができる」 ハリルホジッチ新監督は、「死のグループ」を勝ち抜いたブラジルW杯後、アルジェリアの人々に感謝の意を伝えられたエピソードを披露して「日本でもそうなれれば」とも言った。 「こんにちは」で始まり「ありがとう」で結んだハリルホジッチ氏の所信表明。多いに期待を抱かせる内容だったが、そのハリルのサッカーの輪郭は、27日、31日の2試合で、どう見えるのだろうか。