美術館の入り口に黄色い煙! アムステルダムで抗議行動を行った環境活動家30人超が逮捕
9月7日、アムステルダム国立美術館で30人を超える環境活動家が抗議行動を行った。活動家グループはエクスティンクション・リベリオン(絶滅への抵抗、以下XR)のメンバーで、黄色いつなぎの作業服とマスクを着け、美術館の前で黄色い発煙筒を炊いたり、入り口脇のフェンスに鎖で体を縛り付けたりした。 同美術館は、来館者、スタッフ、作品の安全を優先するため「何らかの措置がなされるまで」閉鎖することを決定。「安全を損ないかねない行動はいかなるものも容認できない」とオランダの通信社ANPに語った。 XRは同美術館に対し、主要な資金提供企業である世界的金融機関、INGグループとの関係を断ち切るよう求めている。XRのメンバーは、INGグループが気候変動を加速させるプロジェクトに多額の融資をしているとして、ANPにこう主張した。 「アムステルダム国立美術館が、気候変動危機をもたらしている巨大金融機関のINGから資金を得ているのは理解しがたい。同館は、環境汚染の大きな要因である企業が、オランダの歴史的芸術作品の陰に隠れることを許している」 警察当局によると、抗議行動を行った活動家たちは逮捕され、別の場所に移動させられたという。警察の広報担当者は、XRには有名美術館が集まるミュージアム広場でのデモが許可されていたが、それを拒否したとしてこう述べた。 「活動家グループにはデモの時間が与えられていましたが、残念ながら指示に従いませんでした。そのため、公共の場でのデモに関する法律に違反したと見なされました」 一方、INGグループはXRに対し、「いつでも対話に応じる」として直接の接触を受け入れる姿勢を示している。 近年、世界各地の美術館やアート作品が、気候変動危機を訴える環境活動家の標的になっている。4月には、XRのサブグループである「サイエンティスト・フォー・エクスティンクション・リベリオン(絶滅への抵抗に賛同する科学者)」と「ユース・アクション・フォー・クライメート・ジャスティス(気候問題に関する正義を求める若者のアクション)」の30人を超える活動家がロンドンの科学博物館を占拠。化石燃料生産など幅広い事業を手がけるインドの巨大コングロマリット、アダニ・グループとの関係を解消するよう要求した。
ARTnews JAPAN