<独自>ベトナム人窃盗団の一員か 17府県で144件被害、兵庫県警が元技能実習生逮捕
兵庫や京都、岡山、岩手など17府県にまたがり、主にドラッグストアで健康食品やサプリメントなどの窃盗を繰り返したとして、兵庫県警捜査3課などが窃盗容疑で、いずれもベトナム国籍で元技能実習生の男女2人を逮捕、送検していたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。2人は技能実習生として来日後、勤務先から逃亡し、144件に上る窃盗に及んでいたという。ベトナム人広域窃盗グループの実行役とみられ、県警は組織的犯行とみて捜査を進めている。 逮捕、送検されたのは、いずれも兵庫県三田市福島の無職、グェン・ティ・フォン(31)=窃盗罪で公判中=、チャン・バン・チュオン(29)=同=の両被告。2人は平成28~29年に技能実習生として来日後、「重労働の割に給料が安い」などとして勤務先から逃亡。昨年8月ごろから別のベトナム人男性に勧誘されて窃盗をするようになったという。 捜査関係者によると、2人は令和5年8月~6年6月、兵庫県や岡山県、徳島県内のドラッグストアなどで健康食品や医薬品、サプリメントなどを窃取したとしている。車で移動しながら各地の店舗で窃盗に及んでいたといい、県警はこれまでに計144件の被害を裏付け、被害額は約1760万円に上るとされる。 2人は指示役から通信アプリを通じ、指示された商品などを窃取。買い物かごに商品を入れると、店内の人目のつかない場所でショルダーバッグに商品を移し替えて退店する手口で犯行を繰り返した。その後、近くのコンビニエンスストアから主に関東方面の指定場所に商品を発送。最終的に商品はベトナムで売りさばかれていたとみられる。 県警は今年6月、2人を入管難民法違反の疑いで逮捕し、その後窃盗事件について捜査していた。昨年11月ごろ2人と共謀し商品を盗んだとする窃盗容疑で、別のベトナム人の女(37)=茨城県坂東市=も逮捕、送検している。