「部下の報連相のレベルが低い」と言う上司の多くは、自分に原因があることに気付いていない
「方法」だけではなく「目的」を伝える
この場合、上司は仕事を任せる際に「方法」だけではなく「目的」を説明しなければなりません。 ごく簡単な仕事で部下に創意工夫を求めないのであれば、「方法」だけ伝えておいても問題はないでしょう。しかし、多少なりとも仕事の進め方に部下自身が考える余地や必要があり、最初の時点で完璧な仕事の進め方が確定していないのであれば、上司が最初に考えている通りに部下が仕事をやるかどうかはわかりません。 この場合、もしも部下が仕事の「目的」をきちんと把握しているのであれば、例えば仕事を進めるのに重要なのが「スピード」なのか「コスト」なのか「クオリティ」なのかを判断することができ、その重要ポイントに問題が発生したり、疑問点が生じたりすれば、自然に上司に報連相をするのではないでしょうか。
「起こりうる問題」を事前に教えておく
さらに適切な報連相を部下にさせようと思うのであれば、事前に「このようなことが起こるかもしれないので、その際は報連相するように」と伝えてはどうでしょうか。 繰り返しますが、仕事は権限を委譲しているだけであり、上司であれば部下に任せた仕事については基本的には熟知していなければなりません(超専門的な仕事は難しいこともありますが)。 たとえ任せたとしても部下が思わぬ理由で離脱するかもしれず、そんな時には上司が代わって事をなさねばないのですから「任せたからオレは知らん」では通用しません。 任せた仕事を熟知していれば、仕事の勘所や難所もわかるはずで、起こりうる問題も事前に予測できるはずです。 それをすべて事前に伝えてあげてはどうでしょうか。そうすれば部下は「あ、これは最初に上司から聞いた状態だ。危ない。報連相せねば」となるはずです。
報告の「フォーマット」を作っておいてはどうか
さらに追加するなら、報告のフォーマットを用意しておくということです。 どのタイミングでどんな数字や定性情報を欲しいのか、上司自身が把握しているのであれば、そういう回答フォーマットを用意しておけばよいのです。 例えば採用プロセスの進捗でいうなら、採用マネジャーは採用活動の進捗を応募者数や合格率や辞退率などの数字で判断します。それを見ればうまくいっているか否かがわかるからです。 そうであれば、部下にその都度「この数字どうなってる?」「計算もしていないのか!」などと言うのではなく、「このフォーマットに従って報告をしてほしい。タイミングはこれこれで」と指示すればよいのです。 きっと必要な情報を漏れなく簡単に手に入れられることでしょう。