トランプ関税の影響、自動車から食品まで 値上がりする輸入品は?
【AFP=時事】ドナルド・トランプ次期米大統領がカナダやメキシコなどに追加関税を課す方針を表明したことについて、専門家は26日、両国製品の関税が引き上げられた場合、自動車や建材のコストが上昇する可能性があるとの見方を示した。中国製品も対象とされ、電子機器や電池といった製品の米国の対中依存度はなお高いため、同様に消費者物価上昇につながるとみられる。 【写真】マスク氏、有人戦闘機は「時代遅れ」 無人機との置き換え提言
「トランプ関税」で価格上昇リスクにさらされる製品を予想した。
■カナダ:エネルギー・建設
米議会調査局(CRS)は7月、米加間の貿易関係は重要であり、エネルギーおよび自動車市場が高度に統合されていると指摘した。2023年のカナダの輸出品の80%近くが米国向け、輸入品の約半分は米国からだ。
米国はカナダから原油、天然ガス、電力を輸入しており、米国にとって最大のエネルギー供給国となっている。
英調査会社オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ライアン・スウィート氏は、カナダ製品に25%の関税が上乗せされれば輸入燃料に影響し、エネルギーコストが上昇するリスクがあると警告した。
「2026年の中間選挙はそれほど先ではなく、有権者はインフレを忘れないだろう」とAFPに語った。
スウィート氏は、米国はカナダから建設資材も輸入しており、住宅建設コストの上昇をもたらす可能性もあると話した。
■メキシコ:食品、自動車
CRSによれば、米国はメキシコの最も重要な貿易相手国であり、メキシコの輸出品の80%を受け入れている。
米政府統計によると、23年にメキシコは20年ぶりに中国を抜き、最大の対米輸出国となり、米国のメキシコからの輸入額は4845億ドル(約74兆円)に達した。
25%の追加関税は、数十億ドル相当の対米自動車輸出に重くのしかかり、医療機器・装置にも影響を与えるだろう。
ピーターソン国際経済研究所の非常勤シニアフェロー、ゲーリー・ハフバウアー氏は、車両コストは約10%上昇する可能性があると推定する。