トランプ関税の影響、自動車から食品まで 値上がりする輸入品は?
農産物も影響を受けそうだ。米農務省統計によれば、23年の米国の野菜輸入の60%以上と、果物とナッツの輸入のほぼ半分がメキシコ産だった。
ハフバウアー氏は、メキシコの新鮮な果物や野菜の輸入コスト上昇は、消費者にまるまる転嫁される可能性があると予測している。
■中国:早期の譲歩はない?
米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは今月、23年の米国の中国からの輸入品のうち30%近くがスマートフォンやパソコンといった消費財、リチウムイオン電池などで占められていたと指摘。
「これらの製品について、米国の対中依存度は2017年以降ほとんど変わっていない。実際には、その間に電池輸入に関しては中国製のシェアは拡大した」と分析している。
トランプ氏の1期目に、数千億ドル相当の対中関税が導入されたにもかかわらず、である。
10%の追加関税が課されれば、消費者に影響を与えることなく「完全に吸収される」公算は小さいと、前述のスウィート氏は述べた。
家電量販大手ベストバイのコリー・バリー最高経営責任者(CEO)は、販売原価の約60%を中国からの輸入品が占めているとし、追加関税の一部は消費者に転嫁される公算が大きいと話す。
トランプ氏は対中追加関税について、同国が原材料を生産している合成麻薬「フェンタニル」の米国流入への対抗措置だとしているが、ブルッキングズ研究所のシニアフェロー、ジョシュア・メルツァー氏は、「米国が関税を引き上げるたびに屈服する」といった印象を与えないためにも、中国はフェンタニル問題に対処する姿勢は示すが、譲歩はしないかもしれないと語った。【翻訳編集】 AFPBB News