「うわ、コイツくさっ」と思われないための3つの対策…あなたは体臭が激増する禁じ手をやってはいないか
■「自分は大丈夫」と思っている人ほどニオっている 最近は、スメルハラスメントという言葉があるほど、臭いに関するエチケットが重視されています。そもそも臭い対策は「身だしなみ」の一環で、見えない部分にも気を配るのは、社会人のマナーです。 【図表】クサッ! と思われないための「3つの対策」 自分から発する臭いは、自分では気付けないものです。しかも、他人からは指摘しづらいという、とてもデリケートで根深い問題です。だからこそ、一人一人が日ごろから気を付けていくことが大人のマナーです。 嫌な臭いを発しないために、次の3つの対策を行ってください。 まずは「体臭」です。体臭は、汗をかいて乾いたときに、体の分泌物と混ざって嫌な臭いとなります。汗をかいたらすぐに拭くことで、臭いの発生を防ぐことができます。ただし、ハンカチで何度も何度も拭く行為は危険。ハンカチ自体が臭くなり、それで拭くと肌に臭いが移ってしまうので、避けましょう。使い捨ての汗拭きシートを使うのがベストです。 香り付きタイプは、汗と混ざると香りが変化することもあり、無臭タイプだとなお安全です。柔軟剤や香水で体臭に香りを足す方法もありますが、汗と混ざると臭くなることがありますし、柔軟剤や香水が苦手な人もいますので扱いが難しい。やはり汗をすぐに取り除く習慣をつけることが第一だと思います。 続いて「口臭」です。ガムやタブレットなど、口臭ケア商品を使用する方法が一般的です。さらに私がお勧めしたいのは、定期的な歯科検診です。虫歯や歯周病から発する口臭であれば、定期的に歯医者さんに通うことで防ぐことができます。
■「あなた、臭いですよ」と言うと相手が傷つく 最後に気を付けたいのが「足の臭い」です。臭いケア用のスプレーや、靴の敷物などが多く販売されていますので積極的に活用しましょう。夜のお座敷など、靴を脱ぐ会場へ行く予定がある場合は、替えの靴下を用意して会場で履き替えれば安心です。足の臭いは、見落としがちなので男女共に注意が必要です。 以前、私が働いていた会社に「なんとなく臭い人」がいました。すれ違っても特になんともないのに、その人がデスクに座っていると、どこからともなく臭いを感じたのです。不思議に思っていましたが、ある日、理由がわかりました。その方は、座っている間ずっと靴を脱いでいたのです。その嫌な臭いは、足の臭いでした。年上の方ですし、当時の私は入社したてだったので、指摘ができませんでした。このように周囲の人を困らせないように、自ら臭いの原因を消していくことが大切です。 最初にお話ししたとおり、他人から「臭いですよ」とはとても指摘しづらいものです。社内で臭う人に気を付けてもらうために、「臭いのマナー対策強化月間」のように、会社全体の取り組みとして発信するのも一つの手です。直接関わりのある同僚や上司から「臭い」と言われると傷つきますが、会社の総務部など第三者視点からの呼びかけがあれば、注意や努力をする人は増えるでしょう。 会社全体に取り組む姿勢がつくれたら、「ネクタイ曲がってるよ」のようなノリで、「今日、ニンニク食べた?」と、カジュアルに言い合える環境になるとベストです。 個人に直接指摘する場合は、細心の注意を払いましょう。一対一で伝えるのが大原則です。「言いにくいんだけど」「あなたを思って」など、相手の立場や心情を最大限に気遣って伝えることがマナーです。「臭いますよ」と用件だけを言うのではなく、「この後、商談みたいだから、伝えておきますね」「良いデオドラント製品が出てるよ」など、相手のメリットになる言い方を工夫しましょう。 ただ、こちらが相手を思って伝えても、落ちこんでしまう人は一定数います。やはり会社として研修などで浸透させていくほうが、平和に解決できそうです。 ※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年10月4日号)の一部を再編集したものです。 ---------- 髙田 将代(たかだ・まさよ) マナーコンサルタント 国宝・當麻曼陀羅を有する奈良の當麻寺に生まれる。大学卒業後、伊藤忠商事に勤務。フィニッシングスクールなどで学んだ後、マナー講師となる。全国各地で研修や講座を行う。著書に『オトナ女子のふるまい手帖』。 ----------
マナーコンサルタント 髙田 将代 構成=力武亜矢