日本居住だと所得税が納税できない、まさかの事態に…フリーランスのブロックチェーンエンジニアが「バンコク移住」を選択した必然的理由【弁護士が解説】
自身の資産は「ビットコイン建て」で認識・把握
小峰:今後のプランはいかがでしょうか? 佐藤:いつまでバンコクに住むかはわかりません。ただ、先ほど申し上げた、自社発行トークンで受け取る報酬については、日本居住だと納税できないという点が日本の制度上解消されない限り、日本に戻れないですね。 小峰:その点さえ解消されれば、日本に戻りますか? 佐藤:うーん…。以前、税務調査に入られて、ネチネチと嫌味をいわれて、日本の税金が本当に嫌なんですよね。普通のフリーランス相手に税務調査するヒマがあったら、裏金議員のところに行けばいいのに、と思います。 小峰:日本にいつ戻るか決まっていない佐藤さんの場合、資産はどの通貨建てで貯めているんですか? 米ドル建てでしょうか? それともタイバーツ建てでしょうか? 佐藤:香港法人を設立して、仕事は香港法人名義で受けています。たしかに、香港ドルや米ドルで資産を蓄えていますが、私の意識としては、「何ドル持っている」というよりビットコイン建てで「何BTC持っている」という意識ですね。
インタビューを終えて
国境を越えてフリーランスとして就業、日本居住では納税のしようがなく、やむを得ず海外移住、資産はビットコイン建てで把握…というように、佐藤さんは筆者のお客様のなかでも典型的な新世代の海外移住フリーランスの方です。 私もインタビューをしながら大変刺激を受け、こうした方々に有意義なスキームを作りたいという、自分自身の新たなモチベーションの高まりを感じました。 小峰 孝史 OWL Investments マネージング・ディレクター・弁護士
小峰 孝史,OWL Investments