SBGを例に読み解く「自己株買い」の株価上昇効果の有無
自己株買いにはどのような効果があるのか。ソフトバンクグループを事例に読み解きます(写真:ブルームバーグ)
企業が株主へ還元する方法として真っ先に思いつくのは配当金や株主優待ですが、実は企業が行う自己株買いも株主還元の一環となります。自己株買いを行うことにより、企業が保有しているキャッシュを、自己株の売り手、ひいてはマーケットに放出することになるからです。 また、自己株買いを行うことにより、発行済み株式総数が減少しますから、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)といった株価指標の数値が改善され、自己株の価値の上昇が期待できます。さらには、自己株買いによって売り需要を吸収しますから、需給改善による株価の下支え効果もあります。 では、自己株買いには株価の下支え効果を超え、株価を上昇させる効果はあるのでしょうか。近年自己株買いを積極的に行っているソフトバンクグループ(9984)を例に取って考えてみることにしましょう。
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足立 武志