〈東大首席卒の女性弁護士〉「学生時代はガリ勉男子と、財務省時代は同僚と」なぜ努力の継続にライバルは必要不可欠なのか
本能に刷り込まれた競争性を利用
そして、私は、そそくさとテレビのスイッチを消して、机に向かうのです。 これは、社会人になってからも同じです。財務省に入った際に、同じ局に配属された同期の男性とは、仕事の愚痴を言い合ったり、なぐさめ合ったりする仲でした。しかし、夜遅くまで仕事をして、今日終わらせられるかもしれないけど、疲れたから明日にまわそうと思うことがあっても、横で彼がまだ働いているのを見ると、「彼がまだ頑張っているのだから、私も頑張れる」と思え、もうひと踏ん張りできたのです。 ライバルが必要であること。これは何も人間に限ったことではありません。競走馬を見ていてもわかります。どのレースも、すべてのサラブレッドは、ほかの馬より前に出ようとしています。もちろん、サラブレッドが競走に勝つことで利益を得るのは人間です。それでも、それぞれのサラブレッドは、ほかの馬より鼻先でも前に出ようとするのです。これは、ほかの馬と並ぶと少しでも先に出たいと思う競争性がその本能に刷り込まれているからなのだそうです。
「まわりの人より頑張ろう」で続く
努力をする際に、もっともやってはいけないのが、「自分との戦い」に持っていくことです。 もちろん、自分に対して厳しく、ストイックな生活を好む、生まれながらのアスリートのような方であれば、そういった「自分との戦い」に耐えることができるかもしれません。 しかし、私たちのような普通の人が「自分との戦い」に持っていくと、たいていはうまくいきません。孤独な戦いに挑むよりも、ライバルと一緒に頑張るほうが続けることができます。 これは、なかなか続けることのできないダイエットでも同じです。ひとりではすぐにやめてしまうダイエットも、友人とスポーツクラブなどに通って、「体脂肪燃焼バトル」に持ち込んでしまえば、意外に続いてしまうものです。 今はSNSなどによって、オンライン上でもかんたんにライバルが見つけられます。 たとえば、近年流行っているランニング。しかし、やっていることは決まったコースを来る日も来る日も走り続けることです。これも、ライバルがいないまま続けるのはとても難しいです。 しかし、スマートフォンでランニングアプリをダウンロードすれば、自分の走った距離や時間などを正確にはかることができるうえに、同じアプリをダウンロードしている者同士で、競い合うことができます。 こういった「ライバル」をうまく取り入れることで、努力を続けることを身につけてみるのも手でしょう。 図/書籍『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』より 写真/Shutterstock
---------- 山口真由(やまぐち まゆ) ----------
山口真由