厚生年金「月額15万円」だと思っていたのに…実際の振込額が少なくてガッカリした理由とは?
厚生労働省が発表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金を受給している高齢者世帯のうち年金だけで生活できている世帯は44%。 【写真2枚】厚生年金の受給額ごと(1万円刻み)の人数《一覧表》 高齢者世帯の半数以上が、年金収入だけでは生活できていないことがわかります。 現役世代の人たちは、年金制度を理解した上で老後資金を確保すべく貯金や私的年金などを進めていく必要があります。 そこで本記事では2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金の平均受給額を確認していきます。 また、「月額15万円だと思っていたのに、実際に振り込まれた金額が少なくてガッカリした」という事例をもとに、公的年金の押さえておくべきポイントもご紹介しますので参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金制度「厚生年金と国民年金」とは?
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。 ●国民年金(1階部分) ・原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある ・保険料は一律 ・納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる ●厚生年金(2階部分) ・公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せする形で加入する ・収入に応じた保険料を支払う(上限あり) ・加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる 個人によって加入する年金や納付期間が異なるため、将来の年金受給額には個人差があります。 特に厚生年金は年収に応じた保険料を支払うため、より個人差が大きくなっています。 ではシニア世代は実際に年金をどれくらい受給しているのでしょうか。 次章で平均受給額を確認し、平均を上回る年金額を受給する人は何パーセントいるかを見ていきます。
【厚生年金】平均を上回る「月額15万円以上」を受給する人は何パーセントいる?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女全体の平均受給額は「月額14万3973円」です。 なお、これから確認する厚生年金は全て国民年金(基礎年金)を含む金額となります。 ● 厚生年金の平均年金月額 〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む 全体は14万3973円でしたが、男女で月約6万円の差がみられます。 先述したとおり、厚生年金は現役時代の年金加入期間や年収が年金額に影響するため、ライフイベントにより退職したり働き方を抑えたりする方が多い女性の年金額は男性よりも少なくなると考えられます。 では、男女全体で平均を上回る「月額15万円以上」を受給する人はどれくらいいるのでしょうか。 ●【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み) ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 ・※国民年金部分を含む 厚生年金を「月15万円以上」受給している人は46.1%でした。 しかし、「月額15万円だと思っていたのに、実際に振り込まれた金額が少ない」とガッカリされる方もいるようです。 次章でその理由を解説していきます。