厚生年金「月額15万円」だと思っていたのに…実際の振込額が少なくてガッカリした理由とは?
「厚生年金」振込額が少ない!ガッカリした理由とは?
先ほど確認した厚生年金の受給額は、全て「額面」となります。 公的年金においても税金や社会保険料が天引きされるため、実際の受取額は少なくなるのです。 天引き額はお住まいの地域や控除されるものなどによって個人で異なります。 近年は社会保険料の負担が増額傾向にあります。現役世代の人たちが老後を迎える頃には天引きされる金額がより大きくなる可能性があるでしょう。 現時点で将来の天引きされる税金や社会保険料の金額を把握することはできません。 しかし、知識として「老後に受給する年金からは税金や社会保険料が天引きされる」という仕組みを理解しておくと、実際の振込額とのギャップにガッカリする事態は避けられるでしょう。
老齢年金「厚生年金」から天引きされるもの4つ
年金受給開始後は、年金振込通知書で1回に支払われる「年金支払額」を確認することができます。 ただし、年金振込通知書の年金支払額は控除前の金額です。 税金や保険料などが天引きされた後の実際の振込額は「控除後振込額」にてご確認ください。 ●天引きされるもの(1):介護保険料額 現役時代に給与から天引きされていた「介護保険料」は、年金から控除されます。 ●天引きされるもの(2):国民健康保険料・後期高齢者医療保険料 介護保険料と同様に、国民健康保険料や75歳以上になると後期高齢者医療保険料が年金から天引きされます。 ●天引きされるもの(3):所得税額および復興特別所得税額 社会保険料と各種控除額を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額が記載されています。 ●天引きされるもの(4):個人住民税 所得税と同様に、個人住民税も天引きされます。
年金の仕組みを理解し、老後に向けて対策を
本記事では公的年金制度について仕組みや、押さえておきたいポイントを確認してきました。 また、シニア世代の年金受給額についても見てきました。 年金制度はこれまでにさまざまな改定が行われています。 現役世代の人たちが老後を迎える頃には、どのように変化しているかは分かりませんが、人口ピラミッドを鑑みると年金の給付水準が上昇するとは考えにくいです。 老後に「知らなかった」、「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないように準備をしていきましょう。 なお、将来の見込年金受給額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」に記載されていますので、一度確認してみてください。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」 ・日本年金機構「ねんきんネット」
和田 直子