なぜユニ・チャームはSDGsをパーパスに掲げたのか
記事のポイント①ユニ・チャームは、パーパスを「SDGsの達成に貢献する」と定めた②企業が、国際目標であるSDGsそのものをパーパスに掲げるのは珍しい③なぜSDGsを掲げたのか、その狙いをサステナ担当役員に聞いた
ユニ・チャームは、パーパスを「SDGsの達成に貢献する」とし、事業活動を通して持続可能な社会を追求する。企業が、国際目標であるSDGsそのものをパーパスに掲げるのは珍しい。その狙いを同社の上田健次・上席執行役員ESG本部長に聞いた。(聞き手・オルタナ副編集長=池田 真隆)
――パーパスを「SDGsの達成に貢献」とした理由は何ですか。
このパーパスは社長の高原豪久が2020年ごろに定めました。高原は、パーパスに掲げるものは、なるべく普遍性が高いものにしたいと考えました。 当社はグループ全体で約1万6千人の社員が働いていますが、そのうち、約1万3千人が日本以外の国・地域の出身者で多種多様な価値観を有しています。このような多様性にあふれた社員のエネルギーを分散することなく最大限に活用するには分かりやすいパーパスが重要です。 加えて、ステークホルダーとのリレーションシップを高める上でも分かりやすくイメージがぶれないパーパスは重要です。このような観点から、「SDGsの達成に貢献する」が適していると判断しました。
――SDGsの17の目標と169のターゲットのすべてに取り組んでいますか。
17の目標と169のターゲットのすべてを網羅的に掲げることはしていません。このパーパスを策定した2020年に、2030年までの中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision (キョウセイ・ライフ・ビジョン)2030」を発表しました。 このビジョンは、パーパスをより具体化したもので、ユニ・チャームグループが取り組むべき重点課題を「健康寿命の延伸」「地産地消」「気候変動対策」などの20に絞りました。 ※この続きはオルタナ・オンラインでお読みください。 この続きは) ■女性の社会進出を事業で後押し ■「求心力」と「遠心力」、主体性を育む ■「偽エコ」の烙印、払拭は難しい