最高の5つ星は六連星の上で燦然と!SUBARUクロストレック/インプレッサ・令和6年度自動車アセスメント ファイブスター大賞表彰式 会場レポート
視界向上策はほかにないのか?
ところで筆者は最近のクルマの対衝突性能のおかげでピラーが太くなっていることに「何とかならんものか」といい続けている。SUBARUのほか、最近では他社でもフロントピラーの断面形状に工夫を与え、ドライバーから見える面は極力細く、見えない部分をフロントガラス側に向けることで死角を極力抑えているが、まだまだ太いままのクルマはあるし、SUBARU車とてセンターピラーやリヤピラーは太い。 国産車からピラーレスハードトップがなくなって久しいが、その間に進歩したボディの設計手法をフルに活かし、現在の対衝突性能をクリアする最新版ピラーレスハードトップがいまあらためてできないかとたずねたところ、「特にセンターピラーはサイドからの衝撃に対する役割が大きいのでなくすことはできない」とのことだった。おおよその答えはわかっていながら聞いたことだったが、やはり2024年の技術をもってしても無理か。 ならば負けじと、せめてサッシュレスドアはできないかとしつこく聞いてみた。 同じ開口面積なら、柱は残るにしても、サッシュレスならいくらかでもサイド視界が開けるのではないか。ついでにいうと、車庫サイズは昨日と同じでもいまのクルマは幅広になっているから相対的に狭くなっている。外からのリモコン操作でガラス昇降できるようにしておけば、窓枠がないぶん狭い場所でも乗り降りがしやすくなる道理だ。 1971年のレオーネ時代から21世紀の4代目レガシィ&2代目インプレッサまで、「セダン」といいながら他社でいうピラードハードトップを長らく続けてきたSUBARUが相手だからこその質問だったが、安全性の問題というよりは、ガラスの保持性、高速走行時の外側への吸い出しが問題なのだそうで、その対策に苦労しながらSUBARUは長くサッシュレスを続けてきたのだと。 ドア内部にいろいろと手当てを施さなければならないぶん、サッシュレスドアのほうがサッシュ付きドアよりもやはり重くなるという。もしこのクロストレックのドアをサッシュサレスにすると重量もかさむことになる勘定だ。これもダメかッ! やはり聞かなければわからない。試験後のクロストレックに敬礼し、会場をすごすごと後にした。 少しはクロストレックオフセット試験車の供養になったかな?