マクラーレン「アルトゥーラ スパイダー」を峠と高速で試す…エキゾーストサウンドも心地よく「マン・マシン」の一体感がハンパない!
コストパフォーマンスが非常に高い1台
マクラーレンのラインアップで、最もポピュラーなモデルといえば、MY25(2025年モデル)でさらに大きな進化を遂げた「アルトゥーラ」ということになります。今回ステアリングを握ったのは、その最新のアルトゥーラに新たなボディバリエーションとして追加た「スパイダー」。これはマクラーレンにとっては、販売面では最も重要な製品といえます。 【画像】クーペと比較! マクラーレン「アルトゥーラ スパイダー」のディテールを見る(全50枚)
V6ツインターボにエレクトリックモーターを組み合わせたアルトゥーラ
まずは大幅なモデルチェンジによる「アルトゥーラ」の進化から、できるかぎりコンパクトにその概要を解説することにしよう。核となっている構造体は、MCLA(マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー)と呼ばれる軽量で高剛性のカーボンファイバー製のモノコック。これをセンターパートに配置し、フロントにはアルミニウム製の衝撃吸収ストラクチャーを。またリアにはパワートレイン一式を搭載するストラクチャーが接続される。革新的なイーサネット・エレクトリカル・アーキテクチャーの採用で、ケーブル量は前作比で25%減少している。これも軽量化には大きな役割を果たしたほか、データ容量と転送速度を向上させることにも成功した。 ミッドに搭載されるエンジンは、120度のバンク角が設定されたアルミニウム製ブロックを持つ3LのV型6気筒ツインターボ。最高出力はこれまでの仕様からさらに20psのエクストラを得て605psに向上したが、最大トルクの720Nmという数字は変わらなかった。 ちなみにレブリミットが8500rpmという高回転型エンジンは、同じマクラーレンの4L V型8気筒ツインターボエンジンより50kgも軽量で、その実測値は160kg。ツインターボのユニットは、Vバンクの中央にレイアウトされパワーユニット全体のコンパクトな設計に大きく寄与している。 そしてこのエンジンに組み合わされているのが、きわめてコンパクトな設計のエレクトリックモーターだ。それは8速SSG(DCT)のベルハウジング内に収められ、最高出力では95psを発揮。バッテリーパックは5個のリチウムイオン・モジュールで構成され、実効容量は7.4kWh。マクラーレンによればゼロエミッションのEV走行は、最大で33kmを可能にする。 なお、バッテリーパックの重量は88kg。エレクトリックモーターも15.4kgと、軽量性に関しても大いに注目できる数字が実現された。システム全体の最高出力はこれで700psを達成している。