「正直しんどすぎる」上司からの飲みの誘いを断れない…ちょうどいい“断りの理由”は?
気乗りのしない人からのお誘い、ちゃんと断れますか?
人からのお誘いって、なかなか断れないですよね。行きたくない会社の飲み会や、気乗りのしないデートのお誘い…。スッパリと断れる人の方が少ないのではないでしょうか? 「人間関係が長続きしないのはなぜ?」コミュ障が陥りがちな“落とし穴” そこで今回は、2万人以上のカウンセリングを行ってきた公認心理師の大野萌子さんの著書『ネガティブな自分のゆるし方』(クロスメディア・パブリッシング)から一部抜粋して、相手の気持ちを害することなく、自分の気持ちを素直に表現する方法を解説します。
人からの誘いを断れない
【シーン1】 疲れて早く帰りたいのに、上司や同僚に「飲みに行こう」と誘われると断れない。本当は行きたくない気持ちはあるが、断り方がわからずストレスを感じる。
コミュニケーションは、飲み会以外でもとれる
行きたくない飲み会や無意味な会議など、誘いをはっきり断れない心理として、「自分の立場や評価を下げたくない」「上司との関係性に亀裂が入るのではないか」といった不安が考えられます。 ですが、飲み会を一度断ったからといって、即関係性の悪化につながるとは考えられません。「断ること」で起こるデメリットを、過剰に不安視する必要はないのです。 例えば仕事中の雑談や、取引先への移動中の会話など、飲み会以外のシーンでコミュニケーションを取れているのなら、問題はありません。
断る理由はなくてもいい
飲み会を断る際に、明確な理由は必要ありません。 ただ「行きたくない」も正当な理由になりますし、理由を言わないと気まずいと感じるなら、「体が疲れている」「今日は予定がある」「リアルタイムで見たいテレビがある」など、当たり障りのない理由でOKです。 反対に、誘いを断らないままでいると、周りの人に「毎回飲み会に参加するメンバー」と認識され、ますます断りづらくなるだけです。 行きたくないのなら無理して参加せず、上司から「飲み会に行かない人」と認識されるのも上手な手法です。その方が、誘いにビクビクすることなく、気持ちがラクになってくるはずです。 ただ、時代が変わっても「飲みニケーション」が有効な手段となる側面があるのも事実だと思います。 働き方改革が進み、メールやチャットでのやりとり、リモートで顔を合わせる機会が増えた今、リアルな飲み会での会話により、コミュニケーションが活性化するケースもあるでしょう。デジタル上でのやりとりでモヤモヤしていたのに、たった2時間の飲み会で解決するのなら、むしろコスパも高いです。 「飲み会自体が嫌い」ならば行く必要はありませんが、少しでも「行ってもいいかな」と思えるのであれば、自分に負担のない範囲で参加してみるのも良いでしょう。 次回は、無理をして気が乗らない誘いに付き合っている、「本音を言えない」ときの対処法をご紹介します。
〈著者プロフィール〉大野萌子(おおの・もえこ)
公認心理師/2級キャリアコンサルティング技能士/産業カウンセラー 一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事、企業内カウンセラーをはじめとす る相談業務において2万人以上のカウンセリングを担当。また長年の現場経験を生かし、 人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント教育を得意とする。官 公庁・企業・大学などで講演・研修を6万人以上に実施。著書にシリーズ51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑(サンマーク出版)』ほか、『世界一受けたい授業』などメディア出演多数。
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