「ネトフリ」「アマプラ」ドラマを押さえてベスト1に選ばれた「地上波作品」とは?…辛口コラムニストが選ぶ2024年「ドラマ総まくり」
辛口コラムニスト・林操氏による今年のドラマ・ベスト&ワースト。前編では思いもかけぬChatGPTによる選考だったが、中編は正真正銘、林氏の選んだベスト編。それゆえ、とてもAIでは選べぬ作品も入り込んで――。【前中後編の中編】 【写真をみる】「確かに納得だわ…」豪華キャスト陣をそろえたネトフリ・アマプラを押さえて第1位に輝いたドラマとは? 公式が発表した“意外なグッズ”も話題に ***
林:では、2024年の連ドラ総まくり、まずはベスト3のカウントダウンから始めようかね。 アナウンサー:お願いします。 林:2024年のベストドラマ、第3位は…… ▼「ブラックペアン シーズン2」」【TBS系/日曜21時/7月期】 ▼「ザ・トラベルナース2」【テレビ朝日系/木曜21時/10月期】 ……です! アナ:お、さっきのAI選出のべスト3とカブっていますが……これは続篇モノ2本ですね。ちょっと意外です。林さん、「相棒」(テレ朝系)は非常に高く評価されて殿堂入りとし、もう毎年のベスト&ワーストの選出からは外しているほどですが、それ以外のシリーズものの評価はずっと低かったじゃないですか、「ドクターX」(同前)にせよ、「科捜研の女」(同前)にせよ。 林:ドラマの世界には昔っから、時代劇なら「水戸黄門」(TBS系)その他いろいろ、現代劇だって「3年B組金八先生」(同前)や「渡る世間は鬼ばかり」(同前)、そして「科捜研の女」「相棒」に至るいろいろなシリーズものがありました。つくる側には新作を生み出し続けるよりは多少の楽ができて、かつ長く喰っていけるというメリットがある一方、見る側にはマンネリで飽きるというデメリットがあるのがシリーズもの。ワタシゃ長らく、見る側に立ってシリーズものは褒めないようにしてきたわけ。 アナ:それが今回、変わった?
失敗したシリーズもの
林:そういうことになるね。今やシリーズ化、あるいは映画化への展開を狙って1作目を送り出したところで、それがポシャってハイそれまでよという作品が死屍累々だし、シリーズ化にこぎつけたものの長くは続かなかった作品も山のようにある。 アナ:言われてみれば2024年も…… 林:実例があったよね。 ▼「花咲舞が黙っていない 第3シリーズ」【日本テレビ系/土曜21時/4月期】 ▼「南くんが恋人!?」【テレ朝系/火曜21時/7月期】 ▼「民王R」【テレ朝系/火曜21時/10月期】 主演を変えたり物語の枠組みをイジったりと悪手を打ってコケちゃったシリーズもの。こういう失敗のほうが多いからこそ、生き残ってるシリーズものは本当に少なくなって、楽に長く稼ぐ手段が減ったギョーカイ人は四苦八苦です。 アナ:確かに。 林:大ヒットの「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレ朝系)もいよいよ終わりという今日このごろ、稼げるシリーズを新たに生み出さないとホント、ドラマの世界は先細るばっかりだから、テレ朝とTBSが「トラベルナース」と「ブラックペアン」の続篇を世に出して、それが当たったというのはデカい。似たようなことを言うなら、AIが年間ベストの2位に入れた ▼「アンチヒーロー」【TBS系/日曜21時/4月期】 ……なんてのは商売として成功して続篇が期待できる数少ない例外だったかな。 アナ:ドラマを見る側ではなく、つくる側からの評価のようになりましたが、AIの選出より納得感、ありますね。