“循環する美食”で質とサステナブルを両立【進化する幸せ産業】
廃棄物ゼロのレシピを心がけ、料理でメッセージを伝える「スィークル」の取り組みは、キッチンの中だけではない。南フランスにある「ミズラール」の菜園では、持続可能な農業やパーマカルチャーを支援し、生物多様性と土壌保全のための実験を行っている。大手町の「スィークル」もまた、たくさんの植物や木が茂る千葉県の自然農園と連携し、食材作りから取り組んでいる。畑とのつながりがシェフのインスピレーション源となっているのだ。そうして生まれたアイデアを、マウロ=シェフのフィロソフィーに共鳴した宮本シェフが、次なる“作品”として具現化する。
■スィークル 住所:東京都千代田区大手町1丁目2-1 Otemachi One 1階 時間:平日17:00~23:00(L.O. 20:00)/ 週末・祝日11:30~15:00(L.O.13:00)18:00~23:00(L.O.20:00) 定休日:月曜日
店内にはチーズ工房も
持続可能な食材にこだわるピザ屋
今冬オープンしたばかりの麻布台ヒルズにも、サステナブルをテーマにしたピザレストランがある。ガーデンプラザDの1階にある「ピザ フォーピース 東京(PIZZA 4P’S)」は、IT企業で働いていた日本人夫婦がベトナムで創業。現在はベトナムで31店舗運営しており、カンボジアに進出後、インドにも12月、で、日本には初上陸したばかりという逆輸入型レストランだ。
麻布台ヒルズ店では、正面にチーズ工房を併設。工房ではベトナムのチーズ工房で修業をした職人が、ピザには欠かせないチーズを製造している。モッツァレラチーズ製造時にミルクから出るホエイ(乳清)を無駄にせず、リコッタチーズの材料としたり、ビールの醸造や花瓶などに活用したりしている。ホエイレモンサワーなど、メニューにそのまま生かすアイデアも見られる。廃棄されがちなホエイは、実は栄養価が高く、さまざまな形に活用できることを学べる。ミルクがチーズになり、ホエイが活用される循環を、チーズ工房と店内を仕切るガラスに図解し、その流れを可視化する。ショップでは、実際にホエイを使用したビールやデザートを販売している。