エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編
ダッジ・チャレンジャー
昨年生産終了した第3世代のチャレンジャーでは、非常にパワフルで驚異的なバージョンがいくつも販売されていた。その中でも、2018年モデルイヤーのみ販売されたSRTデーモンは群を抜いている。 スーパーチャージャー付き6.2L V8エンジンは、公道走行可能なダッジ車、ひいてはクライスラー車に搭載されたエンジンとしては史上最強のユニットである。オクタン価91のレギュラーガソリンで最高出力808psを発生するが、オプションの「デーモン・クレート」パッケージとオクタン価100のレース用燃料を使用すると、840psまでパワーアップする。
フィアット500
2007年発売のフィアット500には当初、複数の4気筒ガソリンエンジンが用意されていた。発売から3年後、フィアットはマルチエア技術を使用した2気筒の「ツインエア(TwinAir)」エンジンを導入した。 燃費はあまり芳しくなく、デュアルマス・フライホイールを追加するまでは振動も大きかった。しかし、人気の秘訣は何よりもその可愛らしさにある。500の外観と同じように、ツインエアはとても愛くるしいサウンドを奏でるのだ。
フォード・コルティナ
1962年に発売された初代コルティナ(Cortina)のほとんどのモデルは、プレ・クロスフロー(pre-Crossflow)形式の1.2Lまたは1.5Lの「ケント(Kent)」エンジンを搭載していた。翌1963年、新しいエンジンを導入し、大きな変貌を遂げたモデルが登場する。ロータス・コルティナである。 基本的にはケントと同じエンジンだが、シリンダーヘッドが全く異なるものであった。このエンジンは「ツインカム(Twin Cam)」と呼ばれ、コルティナとして初めて最高出力100psを超えた。その後も改良を重ね、レースやラリーで大活躍。1960年代のホットハッチとして今も語り継がれている。
フォード・エスコート
コルティナと同様、初代エスコート(Escort)もロータスのツインカム・エンジンを導入して名を馳せた。そのさらに上を目指したのが、1970年のコスワース「BDA」エンジンを搭載したエスコートRS1600だ。 ツインカムと同じく、ケント・エンジンをベースとしており、標準仕様はさほどパワフルではない。しかし、1気筒あたり4バルブを採用したためチューニングに対する柔軟性が高く、結果として初代エスコートは70年代初期から中期にかけて偉大なラリーカーとして知られるようになった。 今でも、フルチューンされたエスコートRS1600が森の中のラリーステージを駆け抜けるサウンドは、聞く者にとって忘れがたい経験となる。