エンジン載せ替えて「劇変」したクルマ 性能やキャラクターが変わった名車たち 31選 前編
アウディQ7
Q7は堂々たる風格を備えた大型SUVだが、5.9L V12ディーゼルエンジンを搭載したQ7 V12 TDIは想定外の領域に達している。最高出力500psを発生し、車重2635kgと超ヘビー級でありながら、0-100km/h加速5.5秒という驚異的な速さを見せる。 ブレーキとサスペンションも十分高性能だが、この加速力は爽快であると同時に、ドライバーの気分次第ではちょっと危なっかしいものになるかもしれない。また、決して安い買い物ではない。
BMW M3
ほぼ例外なく、すべてのM3は、特別なエンジンによって標準の3シリーズとはまったく異なるキャラクターに仕上がっている。特に、2007年から2013年にかけて販売されたモデルは、4.0L(GTSでは4.4L)の「S65型」V8エンジンが素晴らしい働きを見せている。 S65型は数々の受賞歴がある優れたユニットで、この世代のM3ではベース仕様として初めて最高出力400psを超えた。過去にもM3にV8エンジンが搭載されたこともあるが、ごく少数のモデルに限られた。すべてのモデルで使用されたのはS65型が初めてだ。
キャデラックCT6
CT6といえば、フルサイズの高級セダンである。その高性能バージョンがCT6-Vで、最高出力558psの4.2L V8エンジン、通称「ブラックウィング」がもたらすパフォーマンスは非常に印象的なものである。また、CT6プラチナムにも最高出力500psのエンジンが搭載された。 これらは2019年のモデルイヤーのみ販売された。その後まもなく、販売不振と、デトロイト・ハムトラック工場がEV生産に切り替わることもあり、CT6は生産中止となった。ブラックウィングの名称は、CT4とCT5の高性能バージョンにも使用されているが、いずれも名前だけで、ブラックウィング・エンジンは搭載されていない。
シボレー・コルベット
コルベットは歴史上最も人気の高いスポーツカーの1つであり、1953年発売の直6エンジンを搭載した初代モデルがまったく売れなかったというのは、今となっては不思議な話だ。1955年、シボレーの4.3Lの「スモールブロック」V8が導入され、排気量は後に4.6L、さらに5.4Lへと拡大された。 このエンジンは、まさに米国国民が待ち望んでいたものであった。コルベットの販売台数を飛躍的に伸ばし、結局1962年まで生産され続けた。これがなければ、コルベットは早い段階で見切りをつけられたかもしれない。60年経った今でもコルベットは健在で、最新世代も変わらずV8エンジンを搭載している。