2024年振り返り 闇バイト 加害者にならないためには 岩手
(佐藤記者) 「また、10月中旬以降、闇バイトに応募した本人やその家族らから『犯行を強いられた』とか、『個人情報を基に家族や自身に危害を加える』などといった趣旨の相談が、県警に複数寄せられているということです」 (奥村キャスター) 「実際に事件に発展したケースはありますか?」 (佐藤記者) 「現時点で相談者が関与した強盗事件は発生していません」 (奥村キャスター) 「事件の被害者になりうるのと同じように、県民が闇バイトに応募して加害者になってしまうケースがないとは言えませんね」 (佐藤記者) 「社会問題化している闇バイトの取り締まり強化やそれに起因する犯罪を防ごうと、政府や警察も動き出しています。 政府は17日、「犯罪対策閣僚会議」を開き、闇バイトの根絶に向けた緊急対策として捜査員が架空の人物になりすまして犯罪グループに接触する「仮装身分捜査」を早期に導入するとしています。 県警も対策を強化しています。 相談を受けたあと、本人や自宅周辺のパトロールを強化し、通報があった場合はすぐに駆け付けられる態勢を整えています。 また、「高収入」や「即現金」などとうたっている闇バイトの疑いがあるSNSについて投稿の削除を要請したのは10月末までに43件に上っています。 また、このような投稿に対して警告を呼びかけるために「リプライ」を行って、注意を促しています」 (奥村キャスター) 「対策に力が入っているのが伝わってきます」 (佐藤記者) 「『仮装身分捜査』は、捜査員が身分を隠して『雇われたふり』をすることで、犯罪グループに接近して逮捕に結びつけようとするのが狙いです。一定の犯罪抑止の効果があると期待されています。さらに、犯罪に利用されることが多い秘匿性の高い通信アプリなどの事業者に対して、個人でアカウントを開設する際に本人確認を厳格化するよう要請しています」 (奥村キャスター) 「物価高などで生活が苦しいため、つい、うまい話に乗って応募してしまうケースを防げるでしょうか」 (佐藤記者) 「犯行に加担させないための対策として、SNS上で求人を出す際に業務内容や求人者の氏名、住所などを表示しない投稿については、違法だと明確にして周知したうえで、SNSの事業者へ投稿や広告を削除するよう求めるとしています」 (奥村キャスター) 「加害者にならないために募集している求人情報の見極め方や注意することはありますか?」 (佐藤記者) 「闇バイトの求人募集には2つの大きな特徴があります。1つはX=旧ツイッターやインスタグラムなどのSNSで『高額』や『即日現金』『ホワイト案件』など、 『楽で簡単』とか『高収入』を強調している点です。 もう1つはシグナルやテレグラムといった匿名性の高いアプリへ誘導して、個人情報を送信させて脅迫する点です」 (奥村キャスター) 「このような言葉が使われている求人募集は、闇バイトだと疑って応募しないことが大切ですね」 (佐藤記者) 「誰もが加害者になる可能性があって、それは県民も例外ではありません」 (奥村キャスター) 「被害に遭わないためには自宅の戸締りの徹底など防犯意識を高めることが大切ですが、加害者にならない、加害者を生み出さないためにはどうすればいいでしょうか」 (佐藤記者) 「SNSなどで得られる情報をうのみにせず、犯罪につながる恐れがないか読み解く力を持つこと、一人で抱え込まず家族や警察に相談することで犯罪を未然に防ぐことができると考えます」
IBC岩手放送